認知された子どもの日本国籍取得について(国籍法第3条)

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

国籍法第3条は、認知された子どもの国籍の取得について書かれています。

母親は子どもを直接生むのであまり、「母親の認知」が問題になることはありません。

認知で問題になるのは、子どもの父親の認知です。

現在はDNA鑑定など信頼できる科学的な方法があるのですが、この世界ではあまり用いられていません。

では、どのような場合に、国籍問題になるのでしょうか。

国籍法第3条からみてみましょう。

1. 国籍法第3条

第三条  父又は母が認知した子で二十歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによって、日本の国籍を取得することができる。

前提は「父又は母が認知した子で二十歳未満」であることです。

20歳以上では遅すぎるということです。

この第3条は、ざっくりしたことのみについて書かれています。

実際には、法の下の平等を定めた憲法14条に違反するなどと主張して、国に対し、日本国籍を有することの確認を求めた訴訟(婚外子国籍訴訟(こんがいしこくせきそしょう))が最高裁判所まで争われました。

結局のところ、現在では下記に示すような日本国籍取得についての運用が取られています。

2. 母親による認知は問題とならない

民法では「母子関係は出生と同時に成立する」とされているので、日本人母の婚姻外による子どもの場合は、出生と同時に日本国籍を取得することになります。

つまり、父が外国人で母親が日本人の場合には、父母が結婚しているかどうかにかかわらず、子どもは日本人ということになります。

3. 父親による認知は認知の時期で日本国籍が与えられる場合や与えられない場合がある

3-1. 日本国民である父から胎児認知を受けた場合

非嫡出子(婚姻によらない子ども)で、日本国民である父から胎児認知(生まれる前に認知されること)を受けた場合、出生時において法律上の親子関係が成立していることになるので、この場合も、出生と同時に日本国籍を取得することになります。

3-2. 日本国民である父から生後認知を受けた場合

非嫡出子で、日本国民である父から生後認知(生まれた後に認知を受けること)を受けた場合、出生時点においては日本国民である父と法律上の親子関係が存在していないということになるので、出生時点で日本国籍を取得することはできません

認知は遡らないとされています。

しかし、

4. 生後認知後の父母の結婚は関係なくなった

子どもの出生後に認知をした場合(生後認知)、父母の婚姻によって嫡出子となった場合には、届出によって日本国籍を取得することができるとされていましたが、国籍法第3条の改正(平成21年1月1日施行)により、父母の婚姻に関わらず届出によって日本の国籍を取得することができるようになりました。

5. 結局、日本国民である父から生後認知を受けたときには次の要件が必要です

ただし、その場合でも次の要件を満たすことが必要です。

  1. 届出の時に20歳未満であること。
  2. 認知をした父が子の出生の時に日本国民であること。
  3. 認知をした父が届出の時に日本国民であること。(認知をした父が死亡しているときは,その死亡の時に日本国民であったこと。)
  4. 日本国民であった者でないこと。(過去に日本人であったが日本国籍を放棄していないこと)

6. 国籍法改正問題

国籍法第3条の改正(平成21年1月1日施行)により、父母の婚姻に関わらず、届出によって日本の国籍を取得することができるようになりました。

しかし、このことが、「偽装結婚」ではなく、「偽装認知」問題を生み出したのです。

一部の保守系国会議員が、国籍法改正を止めようと動いたようですが、改正案が成立しました。

その後、改正国籍法を悪用し、日本国籍を父親の生後認知によって取得ししようとして、見破られ逮捕された事件が発生しています。

詳しくは、Wikipediaの「国籍法改正問題」をご覧ください。

7. まとめ

上記は文字で書かれていてわかりにくいので、「Yes-No」方式にまとめてみました。