外国人の在留資格が取消される場合-その処分とは

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一度取得した在留資格(ビザ)ですが、ビザ更新手続を行っておけば、取り消しされることはないと思っていませんか?

就労ビザや配偶者ビザ、永住者ビザなど、それぞれに、また一般的な在留資格全般に適応される注意事項などがあります。

今回は在留資格の取消について、みてみたいと思います。

1. 在留資格は取り消される場合がある

在留資格は、取得後も期間更新さえしていれば良いというものではなく、在留中の活動内容によって、取り消されることがあります。

大きく3つのケースに分かれます。

a. 偽り(いつわり)その他不正な手段により許可を受けた場合

上陸許可を受けるときの申請や期間更新許可申請、変更許可申請などの時に偽造された文書や証明書等を提出したり、申請書うその記述をしたり、偽りの申し立てにより、許可を受けた場合に取り消されることがあります。

b. 本来の在留資格に基づく活動を継続して一定期間行っていない場合

すべての外国人は、それぞれに与えられた在留資格(ビザ)によって、日本国内で行うことができる活動が決められています

原則、決められたこと以外のことはできません。

これは、さらに2つに分かれています。

Ⅰ.入管法別表第一の在留資格(注2)を持っている外国人が在留資格で決められている活動継続して3か月以上行っていない場合

入管法別表第一の在留資格(注2)については、下記の(注2)を御覧ください。

具体的に例をあげてみると、在留資格「技能」を取得し、料理人として在留しているにも関わらず、レストランを経営しているが料理は一切しないまま3ヶ月経過してしまったような場合や、「留学」の資格をもつ外国人が、アルバイトばかりして、本来の留学生としての「学ぶ」という活動を行っていないような場合が相当します。

この場合の取り消しですが、「活動を行わないことについて正当な理由がある場合は,在留資格取消しの対象とはなりません。」とされています。

「正当な理由」の有無については,個別具体的に判断することとなりますが,次のような場合が「正当な理由」の例として示されています。

  1. 稼働先を退職後,再就職先を探すために会社訪問をするなど具体的な就職活動を行っていると認められる場合
  2. 在籍していた教育機関が閉校した後,他の教育機関に入学するために必要な手続を進めている場合
  3. 病気治療のため長期間の入院が必要でやむを得ず教育機関を休学している者が,退院後は復学する意思を有している場合
  4. 専修学校を卒業した留学生が日本の大学への入学が決定している場合

このように、ビザに基づく活動を行いたいが、いろいろな事情で不可能になっても、決められた活動を行おうと努力しているような場合を、「正当な理由がある」と判断されます。

(注1)平成29年1月1日からつぎのような場合にも、在留資格の取消しとされることが発表されています。

入管法別表第1の上欄の在留資格(注2)をもって在留する者が,当該在留資格に係る活動を行っておらずかつ他の活動を行い又は行おうとして在留している場合(ただし,正当な理由がある場合を除きます。)。

(注2)入管法別表第1の上欄の在留資格とは、次の資格をいいます。
「外交」、「公用」、「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「興行」、「技能」、「技能実習」、「文化活動」、「短期滞在」、「留学」、「研修」、「家族滞在」、「特定活動」

Ⅱ.「日本人の配偶者」又は「永住者の配偶者」の外国人が、その配偶者としての活動継続して6か月以上行っていない場合

離婚や死別の場合が「配偶者としての活動を行っていない」に当たります。

つまり、本来は「日本人の配偶者」として、日本人の夫または妻として、夫婦生活をおくっているわけですが、離婚してしまうと、その時から「日本人の配偶者」ではないので、6ヶ月以内に、他の日本人と再婚するとか、他の在留資格に変更するとかしないと、在留資格の取消しにあたることになります。

この場合の取り消しですが、「活動を行わないことについて正当な理由がある場合は、在留資格取消しの対象とはなりません。」とされています。

「正当な理由」の有無については、個別具体的に判断することとなりますが、次のような場合が「正当な理由」の例として示されています。

  1. 配偶者からの暴力(いわゆるDV(ドメスティック・バイオレンス))を理由として、一時的に避難又は保護を必要としている場合
  2. 子供の養育等やむを得ない事情のため配偶者と別居して生活しているが生計を一にしている場合
  3. 本国の親族の傷病等の理由により、再入国許可(みなし再入国許可を含む。)による長期間の出国をしている場合
  4. 離婚調停又は離婚訴訟中の場合

このように、正常な夫婦生活に復帰したいが復帰できないような事情がある場合には、「正当な理由がある」として取消対象になりません。

c. 住居地の届出行わない場合又は虚偽の届出をした場合

  1. 新たに短期滞在以外の在留資格を取得した外国人が、90日以内に住居地の届出をしない場合
  2. 外国人が住居地から退去した日から90日以内に、新しい住居地の届出をしない場合
  3. 虚偽の住居地を届け出た場合

これらの場合にも、上記と同様に正当な理由がある場合には、取り消しの対象とはならないとされています。

この場合の正当な理由の例として、

  1. 勤めていた会社の急な倒産やいわゆる派遣切り等により住居を失い、経済的困窮によって新たな住居地を定めていない場合
  2. 配偶者からの暴力(いわゆるDV(ドメスティック・バイオレンス))を理由として避難又は保護を必要としている場合
  3. 病気治療のため医療機関に入院している等、医療上のやむを得ない事情が認められ、本人に代わって届出を行うべき者がいない場合
  4. 転居後急な出張により再入国出国した場合等,再入国許可(みなし再入国許可を含む。)による出国中である場合
  5. 頻繁な出張を繰り返し1回当たりの本邦滞在期間が短いもの等、在留活動の性質上住居地の設定をしていない場合

などがあげられています。

2. まとめ

Ⅰ.在留資格の取消しは大きく3つの場合に分けることができる。

  • 偽り(いつわり)その他不正な手段により許可を受けた場合
  • 本来の在留資格に基づく活動を継続して一定期間行っていない場合
  • 住居地の届出を行わない場合又は虚偽の届出をした場合

Ⅱ.上記の3つの場合に当てはまっていても、正当な理由があるときには、取消処分が行われない時がある。

取消処分になる前に、入国管理局や入管業務専門の行政書士などに相談してみることをおすすめします。