第5次出入国管理基本計画って知っていますか(前編)

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突然ですが、あなたは「第5次出入国管理基本計画」って知っていますか?

実はこれ、法務大臣が概ね5年おきに出さなければならない、出入国管理行政の施策の基本となる計画について定めるものなんです。

ちょっと、難しいですが、簡単に話すと、これからの約5年間外国人の受け入れをどのようにしていくかの計画を世の中に示しているのです。

最近では平成27年9月に「第5次出入国管理基本計画」が法務省から出されています。

そこで、7つの基本方針と言うものが示されているので、これらの外国人行政について基本的なところから見てみることにしましょう。

1. 我が国経済社会に活力をもたらす外国人の円滑な受入れ

  1. 専門的,技術的分野と評価できるものについて,在留資格や上陸許可基準の見直しを行い,受入れを推進(現行方針どおり)
  2. 高度人材外国人の受入れ促進のための効果的な広報を実施
  3. 建設分野等緊急に対応が必要な分野等における適正な受入れを実施
  4. 業(なりわい)を所管する省庁の関与を前提とした枠組みの運用状況を注視・検証
  5. 留学生適正・円滑な受入れ就職支援のための取組を継続

上記の5つの具体的な施策からは高度人材やオリンピック景気に向かっての建設業労働者への積極的な外国人の受け入れを推進していくということが読み取ることができます。

2.少子高齢化の進展を踏まえた外国人の受入れについての国民的議論の活性化

  1. 出生率の向上,生産性の向上,潜在的労働力の活用等の取組が必要
  2. 今後の外国人受入れの在り方を本格的に検討すべき時が到来
  3. 我が国の経済社会の変化等に伴い,新たに人材のニーズが生じる分野が専門的・技術的分野と評価できる場合には受入れを検討
  4. 専門的・技術的分野と評価されない外国人の受入れについては,経済的効果,社会的コスト,産業構造,適切な仕組み,環境整備,治安等幅広い観点から,国民的コンセンサスを踏まえつつ政府全体で検討(結論は予断せず)
  5. このため,諸外国の制度等について把握し,国民の声を積極的に聴取

少子高齢化に関しては、積極的に外国人を受け入れるのではなく、その前に「本格的に検討すべき時が到来」とか「評価できる場合には受入れを検討」「評価されない外国人の受入れについて…政府全体で検討」「国民の声を積極的に聴取」など、かなり消極的な態度がうかがえます。

もう少し、積極的に決めてもらいたいのですが、現場ではブルーカラーの外国人あふれていますよ。

3. 新たな技能実習制度の構築に向けた取組

(1)適正化のための措置

  1. 実習修了時等に技能評価試験の受検義務付け等により効果測定を実施
  2. 外部役員又は外部監査の導入等により監査体制を強化
  3. 法令上の根拠を有する管理運用機関を創設し,行政機関の役割を補完
  4. 人権侵害等を行う団体・機関に対する罰則の整備等対応を強化
  5. 送出し国政府との政府間取決めの作成など,送出し段階から適正化

これは具体的には、2016年11月に国会で成立した新しい技能実習制度に関することですね。

確かに、いろいろと監査体制などができますが、本当にうまく機能するのかどうか疑問です。

基本的に、実習生を受け入れ側の考えが変わらないと、根本的な対策にならない問題なのだと思います。

(2)制度の拡充

  1. 優良な団体・機関の実習生実習期間を延長
  2. 優良な団体・機関の受入れ人数枠を拡大
  3. 送出し国側のニーズ等に即して対象職種を拡大

うまくいっている機関や団体には、それなりのご褒美を上げるという意味で、実習期間や人数を拡大させてあげるというものですね。

まあ、確かに技能実習制度はうまくいっている団体も多くあり、そのような団体からすれば、当然のことなのだと思います。

4. 在留管理制度の的確な運用等による外国人との共生社会実現への寄与

  1. 地方公共団体との情報連携の適正な運用更なる連携の強化
  2. 外国人を受け入れる際に共生のための施策を講じておくことが重要であり,共生社会の実現に向けた取組に積極的に参画

この2つですが、何のことなのかよくわかりません。地方公共団体(県や市町村)などと連携しているって何かありましたか?

私の知るところでは、県のHPに不法就労取締月間ですとのアナウンスがされているだけのように思えますが。

前編まとめ

今回は第5次出入国管理基本計画のうち、4つを取り上げて再確認してみました。

確かに、具体的に施策が施されているものもありますが、何のことを行っているか不明なものや施策が打たれていないのではと考えざるをえないものもありました。

後編では残りの基本計画を確認し、これからの外国人行政の将来を想像してみましょう。