入管法上会社はカテゴリー毎に分類されているって知っていますか

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「外国人の優秀な奴が自分のIT会社に入りたがっている。」

こんな時に、その外国人が日本で留学生であれば、在留資格変更許可申請を行います。

もし、外国の大学を3月までに卒業し、4月には来日し入社を考えているならば、在留資格認定証明書交付申請を行います。

どちらにしろ、こんな複雑な申請を行うのですが、もっと複雑怪奇なものがあります。

入社する会社のカテゴリー分けについてです。

入国管理局はすべての会社を知っているわけではないので、外国人が入社するにあたって、次のようなことを調べます。

  • その会社が実在する会社なのか
  • 業務内容は外国人の申請に合うものなのか
  • その会社の経営状態は問題のないものなのか
  • その外国人を雇用する余裕が本当にあるのか

などなど、調べることがたくさんあるのです。

そこで、会社を4つのカテゴリーに分けて、カテゴリーによって提出する書類を免除して、審査の簡略化を計っています。

特に在留資格「技術・人文知識・国際業務」のものが代表的なので、それを使って説明します。

所属機関の規模カテゴリー分類

カテゴリー1カテゴリー2カテゴリー3カテゴリー4
区分(所属機関)(1) 日本の証券取引所に上場している企業
(2) 保険業を営む相互会社
(3) 日本又は外国の国・地方公共団体
(4) 独立行政法人
(5) 特殊法人・認可法人
(6) 日本の国・地方公共団体の公益法人
(7) 法人税法別表第1に掲げる公共法人
前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中,給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,500万円以上ある団体・個人前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)左のいずれにも該当しない団体・個人

表中の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)」は、会社の経理に依頼するか、その会社を担当している会計事務所や税理士事務所に作成することを依頼します。

1. カテゴリー1はいわゆる大企業と公的な法人

このカテゴリー1に分類される会社は、民間企業でもいわゆる大企業で、株式上場されているような会社か、公が運営している法人又は独立行政法人などです。

カテゴリー1分類会社の場合には、提出書類は非常に簡略化されていています。

必要書類

  • 四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)
  • 主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)

とされています。

2. カテゴリー2は上場していない中堅企業

カテゴリー2の定義は、

「前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,500万円以上ある団体・個人」とされています。

地元に根付く中堅企業なんかも、このカテゴリー2に入ります。

必要書類

  • 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表受付印のあるものの写し)
  • 専門学校の卒業生を受け入れる場合には、「専門士」又は「高度専門士」の称号を付与されたことを証明する文書(卒業証明書など)

3. カテゴリー3は中小企業

このカテゴリー3が、数としてはかなりの会社がここに当てはまります。

必要書類に関しても、カテゴリー3から急に増えることになります。

必要書類

カテゴリー2での必要書類(前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表、専門学校の卒業生を受け入れる場合には、「専門士」又は「高度専門士」の称号を付与されたことを証明する文書)に加えて以下のとおりです。

A. 申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料

(1)労働契約を締結する場合(雇用契約書など)

労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき,労働者に交付される労働条件を明示する文書 1通

(2)日本法人である会社の役員に就任する場合

役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録(報酬委員会が設置されている会社にあっては同委員会の議事録)の写し 1通

(3)外国法人内の日本支店に転勤する場合及び会社以外の団体の役員に就任する場合

地位(担当業務)、期間及び支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書 1通

B. 申請人の学歴及び職歴その他経歴等を証明する文書

(1)申請に係る技術又は知識を要する職務に従事した機関及び内容並びに期間を明示した履歴書 1通

(2)学歴又は職歴等を証明する次のいずれかの文書

  1. 大学等の卒業証明書又はこれと同等以上の教育を受けたことを証明する文書。なお、DOEACC制度の資格保有者の場合は、DOEACC資格の認定証(レベル「A」、「B」又は「C」に限る。) 1通
  2. 在職証明書等で、関連する業務に従事した期間を証明する文書(大学、高等専門学校、高等学校又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に係る科目を専攻した期間の記載された当該学校からの証明書を含む。) 1通
  3. IT技術者については、法務大臣が特例告示をもって定める「情報処理技術」に関する試験又は資格の合格証書又は資格証書 1通
    ※【共通】5の資料を提出している場合は不要
  4. 外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事する場合(大学を卒業した者が翻訳・通訳又は語学の指導に従事する場合を除く。)は、関連する業務について3年以上の実務経験を証明する文書 1通

C. 登記事項証明書 1通

D. 事業内容を明らかにする次のいずれかの資料

(1)勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書 1通

(2)その他の勤務先等の作成した上記(1)に準ずる文書 1通

E. 直近の年度の決算文書の写し 1通

4. カテゴリー4はここ1-2年のうちに開業した会社や1-3に属しない会社

このカテゴリーは主にここ1-2年のうちに開業したような会社の場合です。

また、カテゴリー1から3に属しないような場合にもこのカテゴリーです。

できたばかりの会社に外国人を雇用するような余裕があるのかどうか問われる事になります。

しかし、一方では、外国人のパワーが必要な時があるのも事実です。

入管上の実務は大変ですが、申請しましょう。

4月1日から施行されている新しい在留資格「特定技能」などは、このカテゴリー4に該当する会社が多いのではないかと思います。

必要書類

カテゴリー3での必要書類に加えて

  • 直近の年度の決算文書の写し。新規事業の場合は事業計画書 1通
  • 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする次のいずれかの資料

(1)源泉徴収の免除を受ける機関の場合

外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料 1通

(2)上記(1)を除く機関の場合

  1. 給与支払事務所等の開設届出書の写し 1通
  2. 次のいずれかの資料

(ア)直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書
(領収日付印のあるものの写し) 1通
(イ)納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料 1通

5. 実務上の必要書類

入管法や出入国在留管理庁のHPには書かれていませんが、2点ほど注意点があります。

  • カテゴリー2といっても、申請書類提出後にカテゴリー3同等の書類が求められます。事実上、カテゴリー2はカテゴリー3として書類を収集することが大切です。
  • 上にあげた書類は、最低限の書類です。実際には会社や雇用予定の外国人の事情に合わせて他の書類も提出が求められることがあります。

6. まとめ

  • 就労ビザ取得時には、受け入れ会社の規模により、4つのカテゴリーに分けられる。
  • カテゴリーにより、提出書類の多さに違いが出てくる
  • 実務上、カテゴリー2にはカテゴリー3同等の書類が求められる場合が散見される。