日系4世の就労資格問題、11月省令開始がズレ込む可能性

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日系4世の在留資格(ビザ)に関する問題ですが、当ブログでも過去に2つの記事をあげています。

2017/5/16 日系4世の在留資格問題解決への期待とその方法とは

2017/7/28 日系4世の在留資格が2017年11月に省令改正で実現か サンパウロでの講演会で

今日は、その第3段です。

サンパウロ新聞(日本語版)2017年10月11日付け記事「日系4世ビザ問題 11月実施がズレ込む可能性」より

1. 11月の省令改正は衆議院選挙のためにズレ込む可能性あり

CIATE(国外就労者情報援護センター)主催の「2017年度CIATEコラボラドーレス会議」が10月7、8日の両日、サンパウロ市リベルダーデ区の文協ビル小講堂で開催されました。

この会議の中で、小林洋司厚生労働省審議官に対し「日系4世就労ビザ問題」に対する質問がなされました。

それらの質問に対して、小林審議官は、10月に行われる衆議院解散に伴う総選挙のために、10月22日の選挙終了まで政治的に空白期間であるとしました。

それに伴い、11月から実施されると見込まれていた法務省令の改正がズレ込む可能性についても示唆しました。

2. ワーキングホリデー制度の構想はどうなったのか

下地幹郎議員(日本維新の会)が2017年7月にサンパウロで行った説明会で、ワーキングホリデー制度を利用した構想を語り、かなり前進したように見えました。

そのときには、

  • 年齢制限は「18歳以上」のみ
  • 日本語能力は問わない
  • 配偶者帯同の制限もなく
  • 3年間のワーキングホリデー後は在留資格「定住者」が与えられる

とされていました。

下記記事参照。

3.その後7月31日付の読売新聞報道では

  • 年齢制限は18歳から30歳まで
  • 日本語能力はN4以上(N1が最難関、N4は最も簡単)
  • 家族の帯同は認めない

とトーンダウンしています。

それだけに、今回の小林審議官への質問は真剣味が増していました。

4. 小林審議官の発言は

日系4世に、日本と日系社会の架け橋になってもらうため、「年齢要件(の上限)を設定するべきである」という考えから、年齢上限設定の可能性を示しました。

5. 日本での大学進学の環境整備の施策について問われると

小林審議官は、「具体的な就労面以外に関して答える情報は持ち合わせていないが…子弟の教育に力を入れることも重要」と語りました。

いまひとつ、”大学進学の環境整備に対して消極的”と、とられるような発言です。

6. ブラジルなどの母国に戻ることが前提

架け橋」という表現について、「今回の制度は、(日本での就労後は)ブラジルに戻って活躍する。そう考えた方が素直。」と語り、数年単位の在留資格のみを考えていることを話しました。

永住権などへ変更する際の特例措置などは考えていないようです。

7. 下地幹郎議員の説明とは温度差がある

小林審議官の発言を聴くと、最近の日本での会議などを通して、以前の下地幹郎議員の説明から、かなり制度として後退していることがわかってきました。

8. 日系4世の在留資格問題についての最新情報は下記の記事です。

9. まとめ

  • 日系4世問題について、今回の小林審議官の説明は、7月に行われた下地幹郎議員の説明から後退していることが確認された。
  • 2017年10月に行われる総選挙により政治的空白が生まれ、日系4世に関する法務省令改正の論議が遅れており、新しい制度の11月開始はズレ込む可能性がある。