日系4世在留問題に関して法務省がパブリックコメント開始-改正法案概要判明

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当ブログで追ってきた日系4世の在留資格問題ですが、法務省に動きが見られました。

法務省からのパブリックコメント手続が、2018年1月23日から開始されました

この問題に関して「法務省に直接意見したい」「自分の意見も取り入れてほしい」などお考えの方は、「パブリックコメント:意見募集中案件一覧」にアクセスして、意見を述べてみてはいかがでしょうか。

ところで、現在までいろいろなマスコミで、報じられてきたこの問題。

法務省はどのような制度にしたいと考えているのでしょうか。

このパブリックコメントの改正法案から法務省が考えている日系4世への対応措置について読み解いてみましょう。

最初はこの措置の目的から。

1. 入管法改正(日系4世対応措置)の目的

法務省が提出してきた改正案やその他の関連資料には、次のように目的が書かれていました。

一定の要件を満たす日系四世の方を受け入れ,日本文化を習得する活動等を通じて日本に対する理解や関心を深めてもらい,もって,日本と現地日系社会との結付きを強める架け橋になる人材を育成する

この目的からはあくまでも、「日本と現地日系社会との結付きを強める架け橋になる人材を育成する。」ための今回の対応措置であることが示されています。

日系1~3世とは違う扱いであるということなのでしょうか。

表1. 日系4世受け入れ要件

項目内容
受け入れ対象者18歳以上30歳以下の日系4世
受け入れ枠(人数)想定数年間4,000人程度
素行母国において犯罪歴がないこと
日本語能力入国時:日本語能力試験N4程度
更新時:通算して2年を超えて在留するとき→日本語能力試験N3程度
生計維持預貯金や入国後の就労の見込みも含、入国後の生計維持が担保されていること
帰国旅費帰国旅費が確保されていること
健康健康であること
医療保険に加入していること
家族家族を帯同しないこと

表1をみると、日系1~3世とは全く違う扱いです。

30歳までの年齢制限があることや入国時日本語能力N4、2年を超える在留にはN3を求めること、家族帯同をしないことなど、かなり厳しい要件があります。

特に、家族帯同をしないことは、単身での来日になり、断念される方も多いのではないでしょうか。

現実的に、受入サポーターとして多いのは、先に日本に在留している日系1~3世の家族が多いと予想されます。

現在、日本に在留している日系4世の家族は多いですからね。

群馬県や静岡県にはブラジル村みたいになっている地方都市があります。

2. 受け入れる時の在留資格は

在留資格「特定活動」(特定活動告示)とするようです。

ということは、来日するには、在留資格認定証明書交付申請を行うことになります。

3. その活動内容は

  1. 日本語を含む日本の文化及び日本国における一般的な生活様式理解するための活動
  2. 上記活動を行うために必要な資金を補うために必要な範囲内の報酬を受ける活動(風営法関係の業務に従事する活動は除く。)

つまり、日本語日本文化理解するための活動やその活動費を捻出するための活動(働くこと)を許可するということです。

言い方を換えると、その他の活動は許しませんとのことですね。

4. 最長何年日本に在留できるのか

最長5年とされています。

ただし、在留資格の期間更新には以下の要件が必要になりそうです。

通算して2年を超えて在留するためには、日本語能力試験N3相当を

通算して3年を超えて在留するためには、日本文化および日本国における一般的な生活様式の理解が十分に深められていることとされています。

2つ目の規定ですが、どうやって判断するのでしょうか?

詳細はこれからです。

5. 日系4世受入れサポーターとは何だ?

今回特別に設けられた制度として、「日系4世受入れサポーター」制度があります。

簡単に言うと、在日する上での里親制度のようなものですが、どのようなものなのか、必要とされる条件などについてみてみましょう。

表2. 日系4世受入れサポーター要件

項目内容
どんな人がなれるのか親族、ホストファミリー、雇用主等、日系4世に対して、その活動の円滑な遂行に必要な支援を無償で行うことができる個人または団体
どんなことをするのか・在留資格認定証明書交付申請の代理人
・日系4世の活動内容等の把握(最低月1回)
・日本文化・日本語教育情報、生活情報、医療情報、雇用情報等の提供、入管手続の援助を無償で行う
・在留期間更新する時の入国管理局への「活動内容報告」
・入国管理局から日系4世の活動内容について問い合わせに回答する
日系4世受入れサポーターになることができる団体(団体としての適格者例)対象日系4世が居住する地域において、国際交流又は地域社会への奉仕を目的として活動する非営利団体に限られます。
どんな人がなれないのか(不適格者)・活動支援を確実かつ適切に行うことができると考えられる人数(個人については2名まで、団体については活動支援を担当する常勤職員1名につき2名までを想定)を超えた人数の日系4世受入れサポーターになろうとする個人または団体。
・過去に出入国に関する法令等の違反により刑に処せられた又はこれらの法令に関し不正若しくは不当な行為をしたことがある個人又は団体
・その他日系4世受入れサポーターになるに当たり、活動支援を確実かつ適切に提供できると認められない事情がある個人又は団体

受け入れる側にも相当の負担を求めるということですね。

在留資格認定証明書交付申請の代理申請を求めたり、最低でも月イチの「日系4世の活動内容等の把握」を求めたり、かなりハイレベルなフォローが求められていることがわかります。

技能実習制度のように、実習先から脱走して、挙句の上に難民認定に申請するようなことを防ぎたいと考えているのでしょう。

6. 今後の予定は

パブコメ終了:2018年2月21日
予定公布日:平成30年3月下旬
予定施行日:公布日と同日

と、なっています。

パブリックコメントは、関係省庁が皆さんからのご意見を参考にするだけであり、採用の義務はありません。

しかし、「どうしても。こうしてもらいたい」という人は、パブリックコメントを提出されることをおすすめ致します。

パブリックコメントは、日本人でなくても、意見提出できます。

あなたが、外国人や外国政府の立場にあっても意見できるのです。

その意見の採用の可否は別問題です。

7. 最新記事

最新の記事はこちらです。

8. まとめ

  • 法務省からのパブリックコメント手続が、2018年1月23日から開始された。
  • 今回の措置の目的は、「日本と現地日系社会との結付きを強める架け橋になる人材を育成する。」ためとされている。
  • 日系4世の扱いは、日系1~3世とは全く違う扱いになっている。
  • 受け入れる時の在留資格は、在留資格「特定活動」(特定活動告示)になる。
  • 日系4世が行える活動とは、「日本語や日本文化を理解するための活動やその活動費を捻出するための活動(働くこと)」。
  • 最長5年日本に在留することができる。
  • 今回特別に設けられた制度として、「日系4世受け入れサポーター」制度がある。
  • 今後の予定は、パブコメ終了:2018年2月21日、予定公布日:平成30年3月下旬、予定施行日:公布日と同日