日系4世在留資格に関して法務省から発表がありました。パブコメ募集時と同内容。

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2018年3月30日に法務省から「日系4世」の在留資格に関して発表がありました。

「日系四世の更なる受入れ制度のための特定活動告示の一部改正等について」と題された短い内容とA4スライド4枚程度のものです。

一言でいうと、パブリック・コメントを行っておきながら、その内容はパブコメ応募時の原案と変わらずのものでした。

ある程度予想はしていましたが、「ここまで同じとは…。」と思いました。

そこで、正式発表内容を精査する意味でみてみましょう。

制度の施行日2018年7月1日ですが、3月30日(金)から在留資格認定証明書交付申請受け付けが始まっています

1. 告示の目的

一定の要件を満たす日系四世の方を受け入れ、日本文化を習得する活動等を通じて日本に対する理解や関心を深めてもらい、もって、日本と現地日系社会との結付きを強める架け橋になる人材を育成する。

ということが目的です。

つまり、多くの日系4世が期待していたような「日本での就労自由化ではない」ということです。

あくまでも、日本文化の理解と日本と現地のか架け橋になるということです。

2. 受入れの要件

要件に関しては表にまとめてみました。

項目内容
受け入れ対象者18歳以上30歳以下の日系4世
受け入れ枠(人数)想定数年間4,000人程度
素行母国において犯罪歴がないこと
日本語能力入国時:日本語能力試験N4程度
更新時:通算して2年を超えて在留するとき→日本語能力試験N3程度
生計維持預貯金や入国後の就労の見込みも含、入国後の生計維持が担保されていること
帰国旅費帰国旅費が確保されていること
健康健康であること
医療保険に加入していること
家族家族を帯同しないこと

パブコメ募集時と変わっていません。

以前も指摘しましたが、家族帯同をしないことで、単身での来日になり、断念される人も多いのではないでしょうか。

日系4世の対象国である「ブラジル」「ペルー」「フィリピン」などの家族愛が深い国の国民にとって単身、日本で暮らすことがどれだけストレスになるのか想像に余るものがあります。

3. 在留資格及び活動内容

在留資格は「特定活動(告示)」です。

日系4世の活動内容は、

  1. 日本語を含む日本の文化及び日本国における一般的な生活様式を理解するための活動
  2. 1の活動を行うために必要な資金を補うために必要な範囲内の報酬を受ける活動(風営法関係の業務はダメ)

とされており、最長5年間の在留が許されます

活動内容の一番目が、日本の文化及び日本国における一般的な生活様式を理解するための活動ってどんな活動なのでしょうか?

私にはこの内容を理解できません。

日本固有のお華や茶道、格闘技などの習得が中心ということになるのでしょうか。

いまさら、そんなことはないと思うのですが。

2番目は、その活動を行うための活動費用に関する記述ですが、ほとんどの4世がこれを期待して来日されるのだと思います。

4. 日系4世を支える支援策とは

これも私には理解不可能な内容なのです。

一定の要件を満たす非営利法人又は個人が、サポーターとなり、日本文化・日本語教育情報をはじめ、生活や医療、雇用情報等の提供や入管手続の援助を行うとされていることです。

個人の場合には、

  • サポーターは日本人か、永住者又は、特別永住者であること。
  • サポートをする日系四世の数が2名以内であることです。

団体の場合には、

  • 国際交流又は地域社会への奉仕を目的として活動する非営利の法人であること。
  • サポートをする日系4世の数が、活動支援を担当する常勤職員1名につき2名以内であることとされています。

サポーターの人数に制限をかけていますが、これ本当にどのような意味があるのでしょうか。

ブローカー対策でしたら、あまり対策にならないのではないかと考えます。

5. 日系4世の入国後は

受入サポーターは、日系4世本人に、最低月1回の生活状況確認を行う必要があります。

その状況を年1-2回は、入国管理局に報告義務があります。

相当重い負担になると考えられます。

この報告がないと、在留資格の更新等ができない仕組みなののです。

6. 帰国までの在留の流れ

在留資格認定証明書交付申請から始まる今回の流れによって、はじめに発行される在留資格の在留期限は「6月」になるとのことです。

たった6ヶ月です。

この時に初めての生活状況報告がなされることになりますね。

その後も、「6月」「1年」と在留資格は更新されて、在留3年目に入るには、日本語検定「N3相当」が要求されています。

さらに、在留4年目に入るにあたり、更新申請までに日本文化及び日本国における一般的な生活様式等の理解が十分に深められていることが必要です。

具体的には、

  • 日本語検定「N2合格
  • 日本文化(茶道、華道、柔道等)に関する資格を取得
  • 自治体の活動や地域住民との交流会などに継続的に参加し、地域社会の一員としての地位を確立していると認められること

などが要求されるのです。

本当にこんな在留資格を誰が取得するのでしょうか

7. 今回の本発表をみて思ったこと

やはり、安倍政権が「移民政策を取らない」ことが、官僚たちの奇妙な忖度(そんたく)を生んでいるのでしょうか。

そうとしか思えません。

私も別に無差別に在留資格を与えよなんて言う気もありません。

しかし、今回の改正内容はほとんど無意味に思えるのです。

誰も使わない制度なんて不要です。

せめて日系4世に在留資格「定住者」を与えられないのであれば、5年間の期限付きで「特定活動」を与えて、思いっきり日本の産業で働いてもらえるような制度であって良いと思います。

産業界は人手不足で困っているのですから。

特に、オリンピックが終わっても、日本に起こる生産労働人口の急激な減少で、特にブルーカラー労働者は不足することが予想されているのですから。

日本にブラジル人の華道の生徒や先生を増やしてどうするのでしょうか?

8. まとめ

  • 2018年3月30日に法務省から「日系四世の更なる受入れ制度のための特定活動告示の一部改正等について」の発表があった。
  • 目的は、日本文化の理解と日本と現地のか架け橋になるということ。
  • 内容は、パブコメ募集時とほぼ同じ。
  • この制度改正が今の日本や日系4世にどれだけの意味を持つか疑問視される。

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