日本人の配偶者が離婚するときやってはいけない5つのこと
この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
あなたに質問します。
日本での、1年間の離婚件数を知っていますか?
私の周りでは、離婚そのものをほとんど聞きません。
「離婚」というと聞こえが良くないので、意外に多くの人が、こっそりと離婚しているのかもしれません。
日本で実際に離婚した数は、厚生労働省によって、公表されています。
2016年離婚件数は 217,000 組、離婚率(人口千対)は 1.73 ということです。
前年2015年の離婚件数は、226,215組、離婚率1.81だったので、ここ数年は微減のようです。
それにしても、この数字から計算すると、2分26秒に一組の離婚が行われているのです。
そんな離婚ですが、当然、在日外国人も離婚はします。
理由も様々ですが、そんなときには、在留資格がどうなるか知っていますか。
今日は、もし、外国人のあなたが離婚するときに、在留資格はどうなるのか、そのときにやってはいけない5つのことについて、みてみましょう。
目次
1. 6ヶ月以内に在留資格変更許可申請か永住許可申請をすることができる
入管法第22条の4第1項第7号には、日本人、永住者、特別永住者の配偶者として「日本人の配偶者等」又は「永住者の配偶者等」の在留資格をもって在留する外国人については、離婚してから6ヶ月以上そのままでいると、在留資格が取り消されるとされています。
その対策として、同じく入管法には、在留資格変更許可申請又は永住許可申請の機会を与えるよう配慮することとされています。
その多くは、在留資格の変更申請をすることになります。
しかし、注意したいのは、在留資格の変更申請をすることができるのであって、許可するとは言っていません。
申請可能であることと許可されるかどうかは、全く別のことなのです。
2. 在留資格「定住者」への変更申請前に行なってはいけない5つのことは
例えば、離婚した外国人女性が、就労ビザを取ることができるような、仕事上の学歴、スキルや経験があれば、就労ビザを取れば、問題なく日本に在留することができます。
しかし、多くの外国人は、そのような環境になく、一般的には、在留資格「定住者(告示外)」を申請することになります。
では、「定住者(告示外)」を申請する前に、やってはいけないこととはどのようなことでしょうか。
2-1. 素行が善良ではないこと
一般的に言うと、警察のご厄介になるようなことは、当然ですが、行なってはいけません。
特に、有罪判決を受けるような事件を引き起こすと、在留資格変更はできなくなります。
2-2. こどもの親権者にならない
二人の間に子供がいるときには、離婚の話し合いの中で、できるだけ子どもの親権者になるようにしましょう。
もし、親権者になれない場合には、養育費をちゃんと支払うことが大切です。
そのときには、相手や子供の銀行口座に振り込んだ証拠などを、入国管理局に提出します。
そのためにも、一定の収入が得られるような仕事を持っていることが必要です。
2-3. 日本国外に長期滞在している
日本人の配偶者と事実上離婚状態になると、海外、特に母国に帰り、その後、都合よく日本に入国し、入管に申請をする方がいます。
この行動、入管から言わせると、この人は日本に住む意志があるのか。
「日本に住む必要なし」と判断されます。
ほんの一時的な帰国であれば良いですが(例えば、離婚手続きのための帰国)、ただ単に「相手と会いたくないから帰国する」では、いけません。
2-4. 定職を持たない。風俗で働く。
前項目(2-2.親権者)のところでも、言いましたが、一定の収入が得られないようでは、許可後どのように生活していくのかについて、入管は理解できません。
そのような外国人に在留資格が許されるわけがありません。
ましてや、風俗で働くとなると、印象は最悪です。
2-5. 婚姻期間が短い、結婚・離婚を短期間に繰り返す
やはり婚姻期間が短い(1~2年程度)であったり、結婚離婚を繰り返したりすると、偽装結婚の疑いがかかります。
この場合も、定住者への在留資格変更許可は困難になります。
3. 定住者を取得するには
では、定住者になりやすくするような日頃の行動はどのようなものでしょうか。
3-1. 日本にいる必要があること
相手との子どもや老親がいて、日本でお世話する必要があるという事実が必要です。
また、会社経営などしているために、日本から母国に帰国すると、会社が成り立たないなどの事情がある場合には、許可されやすくなります。
3-2. 離婚の意思を明確にすること
基本的に、「日本人の配偶者等」という在留資格は、偽装結婚が疑われています。
そこで、特別な理由もなく、いきなり離婚して「定住者」を申請すると、当然、現在の在留資格を取得するときの結婚が疑われてしまいます。
そこで、離婚や事実上二人の仲が破綻しているときには、離婚の意思を明確にすることが必要です。
具体的には、弁護士を通して、離婚の調停や裁判をすすめることなどが必要です。
もし、偽装結婚だったら、いちいち弁護士を間に入れて離婚する人もいないでしょう。
逆に、弁護士を入れて離婚する人は、偽装結婚ではないと信用されるのです。
4. まとめ
- 日本人の配偶者や永住者の配偶者である外国人が、離婚して6ヶ月間そのままだと、在留資格が取り消される。
- 就労ビザや永住許可できる場合は良いが、できないときには、「定住者(告示外)」への在留資格変更許可申請を行う。
そのときに、やってはいけない5つのこととは、下記の5つ。
- 素行が善良ではないこと
- こどもの親権者にならないこと
- 日本国外に長期滞在していること
- 定職を持たない。風俗で働くこと。
- 婚姻期間が短い、結婚・離婚を短期間に繰り返す