外国人の起業:役員等の選定について

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「役員」。

会社法では取締役のことです。

会社に入ったものが一度はあこがれることばではないでしょうか。

しかし、誰でもがなることができるわけではありません。

では、どのような人が役員になれるのか、なれないのか。

取締役の会議体である取締役会とは何かについて、みてみましょう。

1.まず役員等の選定を行う

役員については、定款の絶対的記載事項ではありません。

しかし、会社法38条3項には「設立時取締役」、「設立時会計参与」、「設立時監査役」及び「設立時会計監査人」を定めることができるとされています。

これらの役員等は設立前の役員であり、設立後には役員として「予定される」者とされています。

よって、通常話しにでてくる役員とは異なる概念とされてます。

2. 機関構成とは

株式会社には、1人又は2人以上の取締役を置かなければなりません。(最低1人)

取締役会設置会社とするには、取締役は3名以上必要です。

公開会社の場合には、取締役会を設置しなければなりません。

公開会社とは、その株式の譲渡に関して、1株でも譲渡制限を付していない株式を発行しる会社となります。

注)株式の譲渡制限とは、例えば、株式をA氏からB氏に売る時に、その会社にB氏に売却することに関して許可をとらなければならないことをいいます。

その譲渡制限株式を1株でも発行していれば、公開会社になります。

逆の言い方をすれば、すべての株式譲渡に制限を付していれば、「非公開会社」となります。

多くの小企業は、非公開会社であり、取締役1人で取締役会を設置しない会社ということになり、外国人による起業家はこの非公開会社を設立することが多くなります。

機関構成には制限が存在するものの、定款で取締役の数の最下限、最上限をどのように定めることも自由であり、任意的記載事項として記載することもできます。

3. 取締役の欠格事由

下記のように取締役の欠格事由(けっかくじゆう)について明文の規定があります。

  • 法人
  • 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様なものとして取り扱われているもの

とされています。

つまり、法人と成年被後見人若しくは被保佐人は取締役になることができません。

発起人に関しては、法人もなることができましたが、取締役は自然人を前提としています。

しかし、外国人が取締役になれないということもありません。

3-1. 会社と取締役間の雇用形態は「委任契約」

また、従業員と会社の間には「雇用契約」が存在しますが、取締役と会社の関係は「委任契約」に従うことになるとされています。

会社と取締役、従業員の関係は違うのですね。

3-2. 非公開会社では取締役を株主に制限できる

また、公開会社は定款によって「取締役を株主に限る」とすることはできません。

つまり、株式を所有していなくても実力があれば取締役になることができるということです。

一般的には、取締役になると会社の株式を一定数、購入することにより、会社に対しての忠誠心や責任をもたせることをしています。

一方、非公開会社では、第三者に株式を流通することを制限しており、取締役を株主に制限することが可能となっています。

4. 設立後の取締役

4-1. 取締役の専任

取締役の専任は、株主総会の専決事項です。

つまり、株主総会以外の会議や集まりで決めることはできないとされています。

取締役専任決議は、普通決議によるとされているので、「出席した株主の議決権数の過半数の賛成」により成立します。

4-2. 取締役の解任

取締役の解任については、何時でも株主総会で解任することができるとされています。

監査役の場合には、特別決議によるとされていますが、取締役の場合には、そこまでは要求されていません。

4-3. 取締役の任期

取締役の任期についはは、原則、選任後2年以内の事業年度に関する定時総会の終了時までとされていますが、定款や株主総会の決議により短縮可能とされています。

延長は許されていません。

一方、外国人起業家や日本人でも比較的小さな会社において多い非公開会社では取締役の任期を10年まで延ばすことができます。

ここが、公開会社と大きく違うところとされています。

非公開会社は小さな会社が多いので、いちいち2年毎に取締の専任を行なうことが面倒くさいのです。

5. まとめ

  • 最初に、設立前の役員の選定を行う。
  • 株式会社には、1人又は2人以上の取締役を置かなければなりません。(最低1人)
  • 取締役会設置会社とするには、取締役は3名以上必要です。
  • 公開会社の場合には、取締役会を設置しなければなりません。
  • 法人と成年被後見人若しくは被保佐人は取締役になることができない。

会社設立後は

  • 取締役を専任する。
  • 公開会社では、取締役の任期は2年以内、非公開会社では、10年まで延長可。