外国人の起業:会社の印鑑を用意する

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会社を設立する上で、意外と高い障害は何かと聞かれたら、あなたはどう答えますか?

私は、印鑑ですと答えます。

最近は、サインでもOKになってきていますが、その習慣はなかなか理解されません。

その理由は、外国人によって理解できない習慣の代表格であり、実体があるので誰でも分かりやすいものです。

1. 外国人には馴染みのない日本の印鑑制度

日本人にとっては当たり前かもしれませんが、外国人(中国人や韓国人除く)、特に、欧米人にとって印鑑の文化と言うのは馴染みがないものです。

特にアメリカ人と話しているときに気になるのは、印鑑を「Stamp(スタンプ)」と言い表すことです。

我々日本人に言わせると、スタンプとはゴム印を思い出させますよね。

むかしは、年賀状に多く使われていました。

人によっては芋判(いもはん)を連想する人もいるかもしれません。

印鑑は、登記事項が申請権限者から行われたものだと制度的に保障するための印鑑提出制度に使われます。

実印(代表者印)は、印鑑証明書が発行されることから重要な取引の場面で使われます。

登記の申請書に押印すべき者は印鑑を提出しなければならないとされています。

それは、株式会社の登記であれば、会社の代表者ということになります。

登記の申請権限者にあらかじめ申請と同時にその印鑑の印影を提出させ、提出印と申請書又は委任状に押印された印影を照合することで、申請者に申請権限があることを確認する制度です。

2. 代表者が外国人の場合

外国人の方でも日本に住所を有していて市区町村長の作成した印鑑証明書を取得できるのであれば、それを登記申請の添付書類として使用することができます。

しかし、日本に居住していない場合には、外国人の居住する国にある日本大使館や日本領事館の作成した署名証明書(サイン証明書)の添付をもって、市区町村長の作成した印鑑証明書の添付に代えることになります。

印鑑の件は、実務ではもめることが多いのが事実です。

私の知っている先生は、会社設立の契約をしたら、同時にその外国人の印鑑セットをサービスで作成し、本人にプレゼントするそうです。

習慣としてもっていない外国人にいくら説明しても、理解してもらえないので、作ってあげたほうがスムーズに仕事が進むそうです。

それも、良いなと思います。

3. 会社設立に必要な印鑑と用途

会社設立に必要な印鑑は次の4つといえるでしょう。

  1. 実印(代表者印、会社実印、法人実印、丸印)
  2. 銀行印(銀行届出印、金融機関届出印)
  3. 角印(社印)
  4. ゴム印

このうち、本当に必要なものは「実印」のみです。しかし、日頃の業務の中で領収書などに実印を軽々しく使用するのはあまり得策ではありません。

業務内容のなかで使う印鑑を見極めてつくるものはつくるとしたほうが良いと思います。

3-1. 実印

は、代表者印会社実印、法人実印、丸印とも呼ばれる最も重要な印鑑です。

実印は、形式的には法人登記を変更することもできる極めて大事な印鑑であり、実印が押されている書類は、原則として、その会社が正式な意思決定に基づいて印鑑を押したものとして扱われます。

3-2. 銀行印

は、銀行届出印、金融機関届出印とも呼ばれ、取引銀行口座を開設する際に、銀行(金融機関)に届け出る印鑑です。

経理担当者が管理することも多いと思いますが、実印と兼用すると、会社の権利もお金も悪用されるおそれがあるので、兼用はせず別々に用意するほうが良いです。

さらに、銀行印は一定以上のお金が移動する時には、会社の重要な立場の人が確認するような仕組みをとり、経理担当者任せにしないことが大切です。

3-3. 角印

社印とも呼ばれるものです。

見積書、請求書、領収書など、さほど重要ではない書類に押印が必要な場合に利用されます。

3-4. ゴム印

各種契約書の署名欄やなどに自筆で記入する代わりに使用する印鑑です。

通常、店所在地、電話・FAX番号、会社名、代表者名、最近ではホームページアドレスやメルアド等が彫られています。

少々、値段は高くなりますが、それぞれがセパレート式になっているタイプのものがオススメです。(アスコット行政書士事務所はこれ使用しています)

3-5. 印鑑のサイズ

登記所への届出印については、2つの制約があります。

  • 印鑑のサイズ:一辺の長さが1cmの正方形に収まるもの又は1辺の長さが3cmの正方形に収まらないものであってはならない。
  • 印鑑は、照合に適したものでなければならない(印影の同一性が識別できるもの)(かけやすかったり、インクで印影が変形するものはダメ)

 

4. まとめ

最近は、サインなどでもOKとされていますが、商業登記などの際にたくさんの押印箇所があるので、印鑑を用意しよう。

理解する前に、用意したほうがはやいのです。

会社設立に必要な印鑑は多数ありますが、その業務内容によって必要なものや多数使用するものを、印鑑として用意しよう。