外国人の起業:相対的記載事項とは

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先日までは定款の絶対的記載事項を主に取り扱ってきました。

絶対的記載事項は、その名の通り、必ず定款に記載しなければならない項目でした。

商号(会社名)、発起人の氏名や住所、会社の所在地など基本的なものばかりです。

言い換えると、その情報がないと何かの問い合わせを行おうとしても、実体すら確認できない最低限の情報といってもいいかもしれません。

1. 定款のおさらい

ところで、定款ってなんだか、覚えていますか?

会社としての基本的なルールが記載されているものです。

ルールと知っても、「社員は午前8時半までに出社する」などの就業規則ではありません。

会社の大きな枠組みを決めるものと言っても良いかもしれません。

取締役会を設けるかどうかとか、役員の構成、発起人、株主総会などについて書かれています。

2. 相対的記載事項とは

今回は「相対的記載事項」について、説明します。

会社法の各条項に一定の定めがある事項について、「定款に定めないと有効とされない事項」のことを相対的記載事項といいます。

つまり、定款に記載しておかなくても定款自体の効力には影響しませんが、定款に記載しないと有効とされない事項のことです。

具体的には次のような項目があります。

早速みてみましょう。

3. 相対的記載事項の実例

  • 変態設立事項
  • 設立時取締役及び取締役選任についての累積投票廃除
  • 株主名簿管理人
  • 譲渡制限株式の指定買取人の指定を株式総会以外の者の権限とする定め
  • 相続人等に対する売渡し請求
  • 単元株式数
  • 株券発行
  • 株主総会、取締役会及び監査役会招集通知期間短縮
  • 取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人及び監査等委員会又は指名委員会等の設置
  • 取締役、会計参与、監査役、執行役及び会計監査人の責任免除
  • 非業務執行取締役、会計参与、社外監査役及び会計監査人の責任限定契約
  • 取締役会設置会社における中間配当の定め

4. 変態設立事項について

中でも、最初に書かれている「変態設立事項」は、会社設立時に重要なので、説明します。

「変態設立事項」は会社への出資に関することに対する決まりで、

  • 現物出資
  • 財産引受
  • 発起人の報酬等
  • 設立費用

などに分かれています。

これらのことを発起人に記載させて、発起人が不必要な出費や過大な出費をすることによって、会社の財産が不当に減少することを防止することを目的としています。

変態設立事項として定款に記載すると、裁判所が選出した検査役による調査が必要となってきます。

ただし、一定の条件下では調査は不要になります。

4-1. 現物出資

設立に際し、発起人のみに許される金銭以外の物の出資のことをいいます。

具体的には、動産・不動産や知的財産権等のことです。

4-2. 財産引受

発起人が、会社の成立を条件に一定の財産を譲り受けることを約束した契約等のことをいいます。

4-3. 発起人の報酬・特別利益

発起人が会社設立のために働いたことに対する報酬及び会社設立後の会社施設の利用権などをいいます。

4-4. 設立費用

定款や株式申込証の印刷費用、創設事務所の賃貸料金、創立総会招集費用などのことをいいます。

5. まとめ

相対的記載事項とは、「定款に定めないと有効とされない事項」のことをいいます。

定款に記載しておかなくても定款自体の効力には影響しませんが、定款に記載しないと有効とされない事項のこと。

その中で、会社設立時に重要な変態設立事項とは、

  • 現物出資
  • 財産引受
  • 発起人の報酬等
  • 設立費用

などに分かれています。

これらのことを発起人に記載させて、発起人が不必要な出費や過大な出費をすることによって、会社の財産が不当に減少することを防止することを目的としています。