外国人の起業:定款を公証人が認証するときの4つのポイントとは

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定款は、作成され、それが認証されて初めて有効になります。

「認証(にんしょう)」とは、一定の行為が正当な手続きによりなされたということを、公の機関が証明することであり、公証人の権限とされているものです。

また、定款の認証には2つの方法があります。

書面の定款の場合には、定款の認証は、発起人が公証人の面前で定款の署名又は記名押印が自己のものであると自認し、その旨を記載することにより行います。

電磁的記録の定款の場合には、公証人の面前で発起人をして電磁的記録に記録された定款に電子署名をしたことを自認し、その旨を内容とする情報を電磁的記録に記録された定款に電磁的方式により付します。

これらの手続きにより、定款上に作成者が電子署名をしたことが公証されます。

では、本題に入って「定款を公証人が認証するときの4つのポイントとは」について話します。

1.面前での署名、面前での自認

面前署名、面前自認の場合には、当たり前ですが、発起人の本人確認資料が必要となります。

本人確認資料としては、印鑑証明書になります。

よって、実務上は「印鑑登録証明書」を提出して本人確認が行われます。

この証明書の有効期限として、発行後3ヶ月とされています。

しかし、ここで矛盾が出てきます。普段は外国に居住している外国人の場合には、住民票はもちろん印鑑登録証明書も無いので、本人確認ができません。

そこで、旅券(パスポート)や母国の駐日大使館などによるサイン証明書も証明資料となります。

2.代理自認、作成代理

代理自認や作成代理の場合、代理権限を証明するものとして、委任状とその成立を証するものが必要になります。

外国人が中国や韓国、台湾のように印鑑登録制度を採用している場合には、その登録印で押印し、印鑑登録証明書によって委任状の成立を証明します。

しかし、アメリカのようにサインの国では、そのようなことはできないので、委任状にサインを行ない、母国の領事館や公的機関のサイン証明書等を取得し、委任状の真正を証明する必要があります。

3.公証人の認証

株式会社の定款は、公証人の認証を受けなければ効力を生じないとされています。

定款の認証は、会社の本店の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の所属公証人が扱うことになるので、事前に確認が必要です。

3-1. 定款認証の手数料は

1件5万円です。

これは、法律で決められいている値で、全国同じ料金です。

その他の費用として、謄本1枚につき250円かかります。

設立登記の申請の際に、認証を得た謄本1通が必要なので、謄本も請求しておきましょう。

収入印紙は、4万円です。この収入印紙を公証人保存原本に添付して消印することになります。

3-1-1. 公証人保存原本に添付される収入印紙は電子定款の場合には不要です。

この収入印紙代ですが、電子定款の場合には、不要です。4万円は大きいので電子定款を考えましょう。

認証の嘱託は、定款(原本)3通を公証人に提出します。

1通は、公証人役場保存用原本となり、もう1通は会社保存用原本となり、発起人に戻されます。

認証に必要なのは、この2通ですが、設立登記の申請の際に、認証を得た謄本1通が必要なので、定款は結局3通を提出します。

定款の認証時には、作成者全員が署名又は記名押印した上で、各葉毎に契印する必要があります。

4. 委任状と代理人の印鑑登録証明書等(代理人による嘱託の場合)

認証の嘱託は、代理人も行うことができます。

代理人が本人を代理して嘱託をする権限があることを証明する委任状の提出が必要です。

その委任状は、委任者全員の印鑑証明書やサイン証明書等を提出し、その真正を証明する必要があります。

また、代理人の身分証明として、代理人の印鑑登録証明書や運転免許証、パスポートの提出も必要となってきます。

5. まとめ

定款を公証人が認証するときの4つのポイントとは

  1. 面前での署名、面前での自認のとき、本人確認資料としては、印鑑登録証明書や外国人の場合には、旅券(パスポート)や母国の駐日大使館などによるサイン証明書も証明資料となる。
  2. 代理自認や作成代理の場合、印鑑登録制度を採用している場合には、その登録印で押印し、印鑑登録証明書によって委任状の成立を証明、サインの国では、委任状にサインを行ない、母国の領事館や公的機関のサイン証明書等を取得し、委任状の真正を証明する。
  3. 株式会社の定款は、公証人の認証を受けなければ効力を生じない。
  4. 認証の嘱託は、代理人も行うことができますが、代理人が本人を代理して嘱託をする権限があることを証明する委任状の提出が必要。