外国人の起業:合同会社の注意点(外国人起業家が誤解しやすい点)

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前回のブログでは、最近は「合同会社」が増えてきていることを伝えました。

確かに、合同会社は株式会社の設立に比べて、設立費用が安く済む割には、制限が少ないなど、良いことがあるのは事実です。

しかし、株式会社に比べて、何もかも優れているわけではありません。

きょうは、特に外国人起業家が誤解しやすい点についてみてみましょう。

1. 合同会社にはメリットが有る

持分会社である合同会社は、合名会社、合資会社と同じく、損益や権限の配分を出資割合と切り離して自由に決定できるので、ベンチャー・ビジネス等の協同事業に向いているといえます。

合同会社を日本版LLC (Limited Liability Company)という人もいます。

もともと、合同会社は多数の参加を予定していないので、株式総会の開催手続、現物出資の検査役の調整を要しないなどと手続が簡単です。

また、迅速な意思決定が可能となるメリットはあります。

2. パススルー課税は選択不可であることに注意

しかし、米国版LLCのように、パススルー課税を選択することはできません。

パススルー課税とは、”組織段階では課税せず、出資者に直接課税する仕組みです。パススルー課税の効果としては、LLPの事業で利益が出たときには、LLP段階で法人課税は課されず、出資者への利益分配に直接課税されることになります。”

2-1. 多くの外国人起業家はパススルー課税があると思っているが

この仕組を日本の合同会社では利用できないということです。

しかし、この点を多くの外国人起業家には、パススルー課税を選択できるという誤解が生じてしまいます。

3.株式会社変更には多くのお金や時間がかかることも

この誤解により、合同会社を選択後に、結局は株式会社に組織変更したいと希望する外国人起業家が多くいます。

この変更のために、多くの時間やお金が余計にかかってしまうことになりかねません。

合同会社を選択した理由が、唯一、パススルー課税のメリット享受にあるからです。

4. 株式会社も機関設計に自由度高い

取締役1名の小さな会社を設立する場合でも、現行の株式会社については、機関設計の柔軟化が図られています。

費用面では、確かに合同会社は安く済みますが、その後に株式会社に変更するとすれば、出費は増えてしまい、最初から株式会社を設立すべきだったということにもつながってしまいます。

機関設計に関しては、「取締役」「取締役会」「監査役」「監査役会」「会計監査人」「会計参与」「会計監査人」「三種委員会」などの組み合わせで39種類の組み合わせが可能です。

ただし、組み合わせで設置義務のあるものや、ダブってしまい設置不可能の組み合わせもあるので、注意が必要です。

5. まとめ

外国人起業家が誤解しやすい合同会社の注意点がある。

  • 日本版LCCでは、パススルー課税が選択できない。
  • 合同会社の他のメリットである機関設計についても現在の株式会社には自由度が高い
  • 結局、株式会社へ変更するには時間とお金が必要で無駄が多くなることもある。