国際離婚裁判の裁判管轄が決まりました。日本で離婚裁判を起こすことできる4つの場合

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めでたく国際結婚はしたけれど、その後、夫婦仲が悪くなり、不幸にも離婚される方は多いものです。

もしかしたら、あなたもそんな1人ではありませんか?

冗談はさておき、国際離婚する際に協議離婚で終われば、良いのですが…。

もめにもめて最終的に裁判を起こす段階になって意外にわからないのが、どこの国の裁判所で離婚裁判を起こすかです。

どこの裁判所に訴えるか」ということを、「管轄裁判所」なんて言いますが、あなたならどうしますか?

どこでも、良いというわけではありません。

自分の国の裁判所ですか? それとも相手の国も裁判所?

もちろん皆さんが考えていることは、

「不仲の原因はあちらなのだから、日本で裁判するのが当たり前でしょう」とか、

「相手の母国にはどんな法律があるかわからないから、相手の国で裁判はこわい」など、

様々言い訳を付けて自分の国での離婚裁判に持ち込みたいというのが本音ではないでしょうか。

相手の国での裁判となると、膨大な交通費も掛かります。

離婚するためにその交通費を支払ってまで、裁判を起こしたくない/受けたくないという気持ちはよくわかります。

実は、日本の法律では、国際離婚時の裁判の管轄原告、被告のどちらの国で離婚裁判を行うか)は、いままで決まっていなかったのです。

それがついに、196回国会の会期中である2018年4月18日改正人事訴訟法が成立しました。

その中で、国際離婚裁判の管轄が日本の裁判所にある場合明文化されました

早速、どのような場合に日本の裁判所で国際離婚訴訟を起こすことができるのかみてみましょう。

1. 日本で離婚裁判を起こすことできる4つの場合とは

1-1. 被告の住所が日本国内にあるとき

人事訴訟法には次のように書かれています。

「身分関係の当事者の一方に対する訴えであって、当該当事者の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。」

つまり、一方の原告が相手側の被告を訴える場合には、訴えられる方、つまり被告の住所(又は居所)が日本にあるとき

ここでいう「住所」とは正確に民法に則っていうと「生活の本拠」ですが、通常は「住民票」のある場所になります。

同じ様に「居所」とは、「生活の本拠とまではいかない場所」という定義ですが、実際のところ、相手の外国人が来日する際によく利用する友人の家やホテルなどがあればそこになります。

「活動の拠点」みたいな意味です。

この条文によると、被告と別居していて、まだ日本に残っている場合などは、日本の裁判所に離婚訴訟を起こすことができるということになります。

1-2. 夫婦が共に訴えているときには、どちらか又は両方の住所が日本にある時

人事訴訟法には次のようにも書かれています。

「身分関係の当事者の双方に対する訴えであって、その一方又は双方の住所(住所がない場合又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき」

お互いがお互いを訴えるときですから、1-1のケースが双方から行われたときと同じと考えられます。

どちらにしても、夫婦をお互いに訴えるとき夫婦のどちらから日本に住んでいれば日本の裁判所に離婚訴訟を起こすことができるということになります。

1-3. 夫婦ともに日本国籍をもつ場合

1-3-1. 外国人配偶者が結婚後、帰化する場合

これって当たり前じゃないのと思うかもしれませんが、最近では国際結婚後外国人の方日本に帰化」されるケースが多いのです。

その後、仲が悪くなり、元外国人が以前の母国に帰っているときなどが当ります。

その場合も、日本の裁判所に離婚訴訟を起こすことができるということになります。

1-3-2. 外国人夫婦が共に帰化後、離婚する場合

さらに、外国人同士の夫婦が日本で共に帰化しその後離婚する場合には、このケースが当てはまります。

もともと、二人共外国人ですが、帰化しているので、国籍法により、共に日本人ということになります。

この場合にも、もともと互いに外国人なのだから、日本の裁判所を使うことないよねと思うのですが、これからは日本の裁判所での離婚裁判になります。

1-4. 夫婦最後の共通の住所と原告の住所が日本国内にあるとき

夫婦として同居していた最後の住所が日本であり、その後も訴えを起こす原告側が日本に住んでいるような時には、日本の裁判所に離婚訴訟を起こすことができるということになります。

1-5. 例外

ただし、1-4(夫婦最後の共通の住所と原告の住所が日本国内にあるとき)の例外として、日本の裁判所が訴えを却下できる(受け付けない)場合があります。

  • 別居から長期間経過して日本に残る証拠がほとんどないとき
  • 外国籍の被告が別居して外国に移転後は、日本を訪れたことがないとき

などは特別な事情がある場合として、日本の裁判所に訴えても却下されるとされています。

2.日本の裁判所に訴えることができないときとは

上記の条件から、日本の裁判所で争うことができないかつありそうなケースは、次のような場合です。

外国で最終的な国際結婚生活をおくり、その後仲が悪くなり、あなたが日本に帰国して、相手と離婚をするためにあなただけが訴えたいときなどは、日本の裁判所に訴えられません。

この場合には、相手の国の裁判所での離婚裁判になります。

3.国際離婚しそうな場合には

これらの法律を参考に、国際離婚になりそうな時には、離婚裁判を日本できるよう住所などを考えて行動することが大切です。

裁判が日本で行えるならば、弁護士も日本人が選べて、難しい離婚の法律に関することも日本語で話すことができます。

4. 国際離婚の訴訟件数は

法務省によると、2016年に当事者に外国籍を含む離婚訴訟件数は、634件もあったそうです。

本人同士の離婚裁判は、離婚のうち約1%が裁判まで争うとされています。

2016年度の国際結婚の数は20976組なので単純計算ですが、3.02%日本人同士の離婚の約3倍の離婚であることがわかります。

国際結婚は覚悟が必要です。

5. まとめ

2018年4月18日に改正法律案人事訴訟法が成立し、どのような場合に日本の裁判所で国際離婚訴訟を起こすことができるのかが決められた。

  • 被告の住所が日本国内にあるとき
  • 夫婦が共に訴えているときに、どちらか、又は両方の住所が日本にある時
  • 夫婦ともに日本国籍をもつ場合
  • 夫婦最後の共通の住所と原告の住所が日本国内にあるとき

法務省によると、2016年に当事者に外国籍を含む離婚訴訟件数は、634件もあったそうです。

日本人同士の離婚の約3倍の離婚であることがわかります。