帰化申請の大切な6つの条件_能力_素行_生計_重国籍防止_憲法遵守_日本語読み書き能力とは

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前回は、帰化申請の住所条件について、10年居住の基本形から、緩和された条件までをみました。

帰化申請には、住所条件の他にも6つの条件(5つの条件+1つの能力)が必要です。

法務局は、帰化申請があると、これを約1年かけて審査します。

それだけ大変な条件だということです。

では、1つずつ条件を見ていきましょう。

1. 能力条件

「二十歳以上で本国法によつて行為能力を有すること」(国籍法第五条第一項第二号)

帰化の申請者の年齢が20歳以上であって、かつ、母国の法律によっても成人の年齢に達していることが必要です。

多くの外国では「成人年齢」を18歳としていますが、例外も見受けられます。

例えば、身近なところではシンガポールなどは、21歳が成人年齢です。

この場合、21歳にならないと、日本での帰化申請ができないことになってします。

母国の成人年齢の確認が必要です。

2. 素行条件

「素行が善良であること」(国籍法第五条第一項第三号)

税金・年金をちゃんと収めているかと、犯罪歴などの前科がないことです。



2-1. 税金(住民税)

会社員であれば、給与天引きなので比較的安心です。

以前は、会社員でも住民税を払っていない方がいました。

最近は会社が天引きするようになったので、大丈夫ですが、三年前くらいだと、まだ自分で支払わなければいけないケースもあるので、確認が大切です。

税金は、配偶者の分もちゃんと支払わなければいけません。

会社員の方は、給与明細で住民税が引かれていることを必ず確認して下さい。

2-2. 税金(扶養の問題)

扶養することにより、本人の住民税が安くなることです。

扶養自体は、脱税でもなんでもないので、良いのですが、扶養自体に問題があることが多いのです。

2-2-1. 配偶者の年収が103万円以上であるとき

例えば、配偶者がパートなどをしていて年収が103万円以下であれば、良いのですが、103万円をはるかに超えていることがあります。

本来は、収入が多いので、その配偶者は扶養に入れることができないはずなのです。

2-2-2. 母国の両親や親戚などを扶養にしているとき

母国の両親を扶養に入れること自体は問題ないのです。

しかし、多くの場合、母国に送金してないとか母国の両親などがすでに死亡しているにも関わらず、扶養から外していないなどの問題です。

帰化申請で本国の書類を出すので、両親がなくなったことがわかります。

そうすると扶養に矛盾ができてしまうので注意してください。

それから、本当に送金しているのか、確認されます。

ちゃんと、国際送金の記録を見せて下さい。

嘘はいけません。

2-3. 税金(会社経営者や個人事業主の場合)

もし、あなたが会社経営者や個人事業主の場合、社長個人の税金はもちろんですが、会社の税金もちゃんと払っていることが必要です。

税金対策のために、ダミー会社等を数多くもっているような人は、大変です。

税理士や会計士の人とちゃんと整理して、すべての会社について、税金を支払うことが大切です。

納税証明書提出の決算期などにおいて、重加算税が追徴されているような時はダメです。

2-4.  対応策

どちらにしろ、計算し直して未納の分を全部支払って下さい。

会社員の方は、会社の経理と話して計算し直し、すぐに収めて下さい。

しかし、経理部門の人は面倒くさいので嫌がる人も多いのが現状です。

そのような時には、自分の住んでいる地域を管轄している税務署に出向いて、修正申告して下さい。
税務署は、税金をとることが仕事なので、支払ってくれる人には、力を貸してくれます。

2-5. 年金

会社勤めしているような方は、厚生年金に加入しているので、給与天引きで問題ありません。

小さな会社や自営業では、厚生年金に入っていないところもあるので、そのような人は国民年金に加入します。

外国人の方は、来日した当初は日本にずっといるということを考えていないことや、健康保険だ、年金だと言われて出費が多いので、払っていない(拒否している)人も多いです。

でも、永住や帰化を考えて、最近は考えを変える人も多くいます。

払っていない方は、とりあえず直近1年分(20万円くらい)は支払って下さい。

会社経営者の方は、会社として厚生年金保険料を払っていることも帰化条件となります。

2-6. 犯罪

刑法で懲役等をくらうような犯罪はダメです。

多くの場合は、交通違反(スピード違反や駐車違反)だと思います。

過去5年程度の間に2~3回くらいだったらセーフというところでしょうか。

ただし、免許停止はダメです。

最近は、交通違反に関しては過去1年間の違反経歴をみるなど、徐々に緩和してきています。

とにかく、帰化を意識し始めたら絶対、安全運転です。

3. 生計条件

生活に困るようなことがなく、日本で暮らしていけることが必要です。

日本でちゃんと生活していくだけのお金を確保していますか?ということです。

毎月ちゃんとしたお給料が入ってくるような職であれば問題ありません。

この条件は、生計を一つにする親族単位で判断されるので、申請者自身に収入がなくても、配偶者やその他の親族の資産又は技能によって安定した生活を送ることができれば、この条件を満たすこととなります。

月収として、最低18万円位あれば、良いです。(永住の場合は、300万円です)

正社員でなくても、契約社員や派遣社員でも結構です。

会社経営者の方は役員報酬の場合も最低毎月18万くらいでも許可されます。

4. 重国籍防止条件

日本は、国籍法で2重国籍を認めていないので、日本に帰化したら、母国の国籍を放棄しなければいけません。

しかし、困ったことに放棄するケースはあまり多くありません。

日本と母国のパスポート2冊を事実上、所持できるので、都合の良い方を見せて空港のイミグレーションを短時間で通過できるのが実情です。

本来は、母国の政府などに対して国籍放棄の宣言をしなければいけないのですが、日本政府に宣言しても、母国には伝えてくれません。

母国にしてみても、国民が減るわけですから、簡単には受け付けません。

そんなことから、2重国籍は多く存在するのです。

また、ブラジルやアルゼンチンのように国籍を放棄できない国も存在します。

そのような国の国民も帰化は可能です。

国籍放棄は絶対ではないのです。

4-1. 兵役のある国では

台湾のような兵役のある国では、兵役を終わらないと、他国に帰化できない国もあるので注意が必要です。

韓国は兵役前でも帰化できます。

5. 憲法遵守条件

最近は改憲論議で盛り上がっていますが、「憲法遵守条件」ってなんだと、思っている人も多いのでは。

日本政府を暴力で破壊することを企てたり、危険な考えを主張するような者、あるいはそのような団体を結成したり、加入しているような者は帰化が許可されません。

これは当然ですね。

行政の長として存在している内閣総理大臣の属する日本政府に反する個人や団体を、行政庁の1つである法務局が許すはずはありません。

6. 日本語読み書き能力

意外にこれをパスできない人がいるようです。

私が聞いたのは「自分の名前と住所をこの紙に日本語で書け」と言うものです。

いろいろあるようですが、このくらいは書けないと帰化できません。

7. まとめ

  • 住所条件の他にも、帰化申請のためには、能力条件、素行条件、生計条件、重国籍条件、憲法遵守条件、さらには日本語読み書き能力が求められる。
  • 1つずつの条件を確認しながら、クリアしていくことが大切。
  • 行政書士や司法書士に申請のサポートをお願いすることも、確実に許可されるには必要である。