帰化許可申請の住所要件とは、一般外国人、在日韓国人朝鮮人への緩和条件含む

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

帰化申請で一番多い質問が、この住所条件、一般的に言うと居住要件です。

「私は、日本に住んで15年になります。その間、母国にも帰らず、外国にも遊びに行かず、ずっと、日本で仕事をしていました。帰化できるでしょうか」

「わたしは、日本に7年住んでいます。来日してから3年住み続け、出産のために1年母国に帰り、その後4年間は日本にいます。帰化できますか」

などです。

やはり、皆さん、この住所条件には一番気を使うようです。

早速、住所条件について確認してみましょう。

目次

1. 住所条件「引き続き5年以上日本に住所を有すること」(国籍法第五条第一項第一号)

帰化申請の住所条件は、国籍法に上記のように定められています。

こんな単純な条文の中にも、2点注意が必要です。

1-1. 引き続き5年の意味すること(定着性)

断片的にでも、5年以上日本に住めば良いということではありません

この「引き続き」ですが、「定着性」と呼ばれています。

日本から見ると、せっかく帰化させたのにも関わらず、日本の社会保険制度を利用するだけで、帰化後のほとんどの人生を日本以外で暮らすようではいけません。

日本に生活の本拠(ほんきょ)が定着していることが必要なのです。

そのために、単なる5年ではなく、その間に「1年間にトータルで150日以上出国している」とか、「連続して90日以上海外で過ごす」ようでは、「引き続き」とはみなされません

その出国理由が、会社命令での出張であったにせよ、出産のための帰国でも、許可されないのです。

1-2. 就労ビザで3年以上働いていること

しかし、実際にはさらに、法務省内の規定として「3年以上就労ビザで働いていること」が必要です。

これは、帰化したものの職が安定せず、帰化後すぐに生活保護が適応されるようではいけないとの考えで決められています。

しかし、働く上で正社員でなくても、派遣社員や契約社員でも問題ありません。

転職の回数も問題にはなりません。

しかし、3年以上日本で就労している必要があります。

2. 日本人と結婚している外国人の場合

この場合、帰化の条件が緩和されます。

条件が少し緩和されますが、手続きや提出書類は一般の外国人と変わりありません。

結婚している分だけ、書類は単身者よりも多くなる傾向にあるので、行政書士などの報酬額は一般の外国人と同等以上の事務所もあるようです。

2-1. 「日本人と結婚している外国人で引き続き3年以上日本に住所を有し、かつ、現在も日本に住所を有していること」とされています(国籍法第七条)

そして、このケース、最近は増えているのではないかと実感しています。

先日も、フランス人が仕事により日本支社で3年ほど過ごした後、非常に日本を気に入ったのと同時に日本人の女性と結婚し、帰化申請をしたいと依頼がありました。

その場合、依頼に来られたのは、日本人の妻の方でした。

フランス人の夫は、ほとんど日本語を話せないようです。

ましてや、法律用語などが出てくるので、奥様が間に入って話されていました。

この場合ですが、例えば、留学生や就労ビザで3年日本に住んでいれば、日本人と結婚した時点で帰化の条件を満たしていることになります。

結婚してから3年経過している必要はありません。

2-2. 「婚姻の日から3年を経過し、引き続き1年以上日本に住所を有していること」(国籍法第七条)

このケースは、結婚後日本に1年間は住んでいる必要があります

例えば、日本人と韓国人が結婚して2年間韓国(日本以外)に住み、その後日本に2人で引越しを行い、それから1年間日本に住めば帰化申請ができるということです。

また、上記の(国籍法第七条)の二つの場合ですが、その外国人配偶者は20歳以下でもOKということです。

一般的な外国人の場合、帰化条件として20歳以上でした。(国籍法第五条第一項第二号)

そこが、少し緩和されています。

日本人と結婚している外国人の方は無職や専業主婦でも大丈夫です。

ただし、この場合では日本人配偶者が生計条件を満たしている必要があります。

日本人配偶者の収入でふたりともちゃんと生活できれば良いということですね。

2人の年収合計が380万円以上あれば、帰化申請可能です。

3. 主に在日韓国人・朝鮮人(特別永住者)の場合

在日韓国人や朝鮮人(特別永住者)の方々は、戦後いろいろと日本でご苦労されたこともあり、この住所要件が緩和されています。

3-1. 日本国民であった者の子(養子を除く)で、引き続き3年以上日本に住所または居所を有する人(国籍法第六条第一項第一号)

このケースは、例えば、日本人の両親が外国に帰化して(日本国民であった者)、自分も外国籍として生まれたが、その後自分だけ日本が気に入り、住み着いてしまった場合になります。

この場合、引き続き3年以上日本に住めば日本国籍を取れるということです。

ただし、サンフランシスコ平和条約(昭和27年4月28日)の発効によって日本国籍を失った生来の朝鮮人、台湾人は含まれません。

つまり、特別永住者は含まれないことになります。

3-2. 日本で生まれた者で引き続き3年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの(国籍法第六条第一項第二号)

外国人の夫婦が日本で子どもを生み、その子どもが3年以上日本に住み着いている状態の場合や、その子の生みの親が日本で生まれたもの、つまり、親の世代が外国人であり、自分も外国人であるが、日本で生まれ育った場合には日本国籍がもらえるということです。

日本で生まれた在日韓国人・朝鮮人の方の多くがこのケースに当てはまります。

3-3. 引き続き10年以上日本に居所を有する者(国籍法第六条第一項第三号)

実際には、10年日本に住んでいて、かつ、1年以上就労ビザで働いていることが必要です。

このケースも在日韓国・朝鮮人の方の多くがこのケースに当てはまります。

一般の外国人の方でも10年以上日本に住んでいる方は、1年以上就労していればこの要件にあてはまります。

私の知るケースでは、戦後70年も経ってからこの緩和要件で帰化された方(朝鮮人女性)がいます。

3-4. 日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの(国籍法第八条第一項第一号)

このケースは、両親だけ先に帰化して日本国籍を取り、子供が後で帰化する場合が当てはまります。

よくあるのですが、帰化申請中に出産されたような場合です。

子どもは外国人(両親は帰化前なので外国人)として生まれ、その後両親だけが帰化が認められ、日本人になったときなどです。

帰化申請前に出産することが大切なのですが、こればかりは話しておいてもどうにもならない時があります。

また、日本人の子である2重国籍者が、日本国籍を選ばなかったのちに、日本に住みつき帰化したいという場合にも当てはまります。

3-5. 日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であつたもの(国籍法第八条第一項第二号)

親の再婚などにより、連れ子として日本に来た外国人未成年の方で、来日の時に義理の父(母)と養子縁組をしたようなケースが当てはまります。

母国の本国法で未成年かどうかの確認が必要です。

多くの国で18歳が未成年の区切りの歳であるからです。

3-6. 日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有するもの(国籍法第八条第一項第三号)

外国籍になった日本人が、再度日本国籍に戻るときが当てはまります。

何らかの理由で外国籍になり、その後日本に帰国し住みついているような場合です。

例えば、外国人との婚姻によって、配偶者の国の法律によりその国の国籍をもらい、同時に日本国籍を放棄し、その後、配偶者が死亡したり、離婚したりで、結局日本に帰国したような時が当てはまります。

3-7. 日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有するもの(国籍法第八条第一項第四号)

例えば、戦前から両親が韓国や朝鮮から日本に来て生計を営み、終戦の混乱期に日本で生まれて、そのまま、国籍も定まらず、3年以上日本に住んでいたという人ですが当てはまります。

もちろん、この他にも複雑な背景などがあり、無国籍状態の方は存在します。

そのような場合には、この条件で帰化申請を行います。

4. 帰化分類から

  • 1章が「普通帰化」と呼ばれるものです。

「引き続き5年以上日本に住所を有すること」+「3年以上就労」が住所要件として要求されています。

  • 2章、3章が「簡易帰化」と呼ばれるものです。

2章にあてはまる人は、住居条件と能力条件が緩和されます。

20歳未満でも、素行条件、生計条件、重国籍防止条件、憲法遵守条件を満たしていれば帰化申請が可能です。

  • 3章1~3にあてはまる人は、5年の住所条件が緩和されます。

能力条件、素行条件、生計条件、重国籍防止条件、憲法遵守条件を満たしていれば帰化申請が可能です。

  • 3章4~7にあてはまる人は、住居条件、能力条件、生計条件が緩和されます。

5. まとめ

帰化申請の住所条件は大きく分類して3つある。

  • 一般外国人の場合

「引き続き5年以上日本に住所を有すること」+「3年以上就労」

  • 日本人と結婚している外国人の場合
  1. 日本人と結婚している外国人は、引き続き3年以上日本に住所を有し、現在も日本に住所を有していることとされています
  2. 婚姻の日から3年を経過し、引き続き1年以上日本に住所を有していること
  • 主に、在日韓国人・朝鮮人(特別永住者)の場合
  1. 日本国民であった者の子(養子を除く)で、引き続き3年以上日本に住所または居所を有する人
  2. 日本で生まれた者で引き続き三年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの
  3. 引き続き10年以上日本に居所を有する者
  4. 日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの
  5. 日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であつたもの
  6. 日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有するもの
  7. 日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有するもの

住所条件は、いろいろな緩和条件があるので、自分のケースを見つけ出して、緩和された条件で申請すること。