介護福祉士養成校に入学する外国人留学生が急増、入管法改正により

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当ブログでも、お伝えしてきた在留資格「介護」ですが、その活動の動きが少しずつ見えてきたようです。

以前の記事「介護福祉士養成校に外国人介護人材の入学始まる」の続報となります。

YOMIURI ONLINE ヨミドクター2017年5月26日付けの記事「介護福祉士目指す留学生、在留資格見直しで急増」からです。

1.在留資格「介護」追加以前(2016年11月)

2016年11月に入管法の改正が国会で成立し、在留資格「介護」が新しく追加されることになりました。

しかし、それ以前は外国人が日本で介護人材として参画するには、

  • 身分系の在留資格をもっていること(永住者、定住者、日本人の配偶者等)
  • EPA協定により、フィリピン、インドネシア、ベトナムから「特定活動」の資格を得て介護事業に参加すること

のどちらか1つでの参加しかありませんでした。

2.在留資格「介護」追加により、新しい人材の動きが

上記の方法以外に、新たに、留学生として来日→介護福祉士養成校に入学→(順調にいけば2年後)卒業→介護福祉士の試験に合格→日本の介護施設で働くという道筋ができたのです。

東京都豊島区の東京福祉保育専門学校では、入学定員80名のうち、60名が東南アジアからの留学生だといいます。

介護の現場では、高齢者とのコミュニケーションが大切であることから、同校では知識や技術だけでなく、日本の習慣や文化を学ぶ授業を行なっているとのことです。

外国人留学生という面では、定員が増加しており、活況を呈しているように見えますが、日本人の入学者という面で見れば、問題が浮き上がってきます。

3.日本人の入学者は激減、外国人留学生急増

介護福祉士養成校では2016年度、定員に対する入学者の割合が、全国平均で5割を下回るなど、大幅な定員割れが起きています。

一方、外国人の入学者は増えており、これからは外国人に日本語や文化を教えるという授業が標準として追加されたり、「外国人からみた日本の介護とは」を理解していく授業に変わっていくことでしょう。

さらに、専門用語の多い介護の授業についていけるよう、日本語補習などのサポートを充実するようなカリキュラムを取ることになります。

4.背景にもっと深刻な担い手不足の原因が存在

最近はテレビ報道で問題視されていますが、仕事の量や質の割に処遇が低いということが根本の原因として存在しています。

介護職の給与は全産業平均よりも約10万円低いのです。

今回の在留資格の追加ですが、基本的に外国人も日本人と同レベルの賃金であることが求められています。

外国人だからといって、低賃金でこき使ってよいということは全くありません。

日本人の担い手が少なくなった穴を埋めるというために、外国人が市場に参加してくる状態ですが、低賃金でこき使えば、近い将来、外国人も逃げ出してしまうでしょう。

実は、中国をはじめ、メジャーな東南アジアの国で以前に比べて富をもった人たちが増えてくると、人不足になり最近では中国からも安価に働く労働人口が狙われています。

中国に続いて、タイ、インドネシアなど以前は労働供給国であった国々が最近では労働不足になってきています。

在留資格「技能実習」では、外国人の扱いが問題となっていて、職場や居所を抜け出し、より高賃金な職を見つけ出して勝手に働いたり、日本人経営者と外国人実習生との間に争いが生じたりとの報道も見かけます。

同じようなことが介護の世界でも繰り返し行われれば、彼らは単純に身につけたその技術をもって、母国に帰り、そこで介護の職に就くでしょう。

そうすれば、日本の介護現場はより一層崩壊状態に向かうのです。

現場の皆さんの大変さは、想像以上のものだと思います。

介護事業者、現場の介護士の皆さんばかりでなく、国、地方自治体も真剣に取り組んでもらいたい問題です。

5.まとめ

  • 在留資格「介護」の追加により、介護福祉士養成校に入学する外国人が急増
  • 日本人入学生は激減し、全国平均では定員の5割割れを起こしている
  • 介護福祉士養成校は、外国人教育を追加するように変化してきている
  • 外国人介護士を定着させるには、日本語や習慣の教育などのバックアップも必要ですが、介護事業者や現場ばかりに任せるのではなく、国や地方自治体の取り組みも重要である