[特定技能]技能実習制度の修了後5年の在留可能になるか-制度改正第一歩の始まりか

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2018年4月11日付日本経済新聞イブニングスクープとして、次のように報じられました。

外国人、技能実習後も5年就労可能に 本格拡大にカジ

とうとう外国人労働者を本格的に受け入れかと、この記事から期待されることは大きかったのですが、冷静に読んでみると、法務省ならではの制限が散りばめられています。

とはいえ、当ブログでも「技能実習制度」については、改善が必要という立場でいろいろな記事を掲載してきました。

そこで、今日は、素直に日本経済新聞社のスクープ記事についてみてみましょう。

1. 在留資格「特定技能(とくていぎのう)」を新設する

日本政府は、2018年秋の臨時国会で、入国管理法改正案を成立させる見通しです。

そして、この改正案の施行は、翌年2019年4月を予定しているようです。

この入国管理法改正のなかで、在留資格としては29番目になる「特定技能(仮称)」を新設するということになりそうです。

1-1. 新・在留資格「特定技能」に関する最新の情報はこちら

2. 在留資格「特定技能」を取得の要件について

この在留資格「特定技能」ですが、この在留資格を取るには、

  • 業種に関係なく適用される共通基準
  • 職種ごとに求められる技能や資格を規定した業種別基準

二段構えで定められるようです。

基本的には、現在の在留資格「技能実習」で、就労を5年行った後に、一旦、母国に帰国して、再来日し、その時に「特定技能」に変更して、最長5年間在留できるのです。

といういことで、現在、技能実習で来日されている方は、最長10年間、日本で働くことが可能になるのです。

2-1. 農業、介護、建設に限定される

在留資格「技能実習」であれば、すべての職種が「特定技能」になることができるというわけではありません

「技能実習」の中でも、特に人手不足が著しい「農業」「介護」「建設」分野に限って変更できる在留資格であるのです。

3. 帰国後の技能実習生も対象となる

この在留資格「特定技能」ですが、既に技能実習を終えて帰国した外国人も対象となるということです。

先日も、あるドキュメント番組で、優良な技能実習生の受入会社とその技能実習生の働く様子が報じられていました。

ちゃんとした受入会社では、実習生も大切にあつかわれ、来日前は高校生卒の少年が、技能実習により立派な技術者や現場技能者になっていく姿がありました。

しかし、現状として技能実習後に母国に帰国しても、技能をもった彼らを受け入れるほど余裕のある会社はなく、無職状態であるというのです。

母国そのものが豊かになり、彼らを受け入れ可能な会社が設立されないと、帰国後、技能実習は無駄になってしまうのです。

その点、この「特定技能」を取得できれば、5年間の猶予を与えられた形になり、母国が少しでも発展すれば、貢献できる可能性が増えるということになります。

4. 永住権は取得できない

この制度をはじめて知ったときには、「とうとう技能実習生も永住権を取れるのか」と思いました。

しかし、そこには一つの落とし穴が…。

5年間の技能実習終了した場合一旦帰国しなければいけないのが、この制度です。

一方、永住許可の要件として、「引き続き10年以上の在留」があります。

ということは、在留資格「技能実習」で5年間「特定技能」で5年間日本に在留していても、この5年間のつなぎ目に帰国が入ってしまい永住許可申請の要件を満たさないことになってしまいます。

5. 他の在留資格にも移行可能

さらに、この在留資格「特定技能」のままでは、「家族の帯同」「優遇措置」などは受けることできません

大変な苦労が予測されますが、在留中に資格や大学を卒業すれば他の在留資格に変更が可能になることです。

例えば、技能実習制度を利用して介護の現場で働いているとします。

在留中に日本語と介護を勉強して、国家試験である「介護福祉士」の資格を取得すれば在留資格「介護」に変更が可能ということです。

当然、在留資格「介護」であれば、在留資格更新手続きにより、日本に継続的に住むことも可能となり、継続して10年間以上居住すれば永住許可申請も可能になります。

さらに、当然のことですが、技能実習よりも給与などの待遇は改善されます

日本政府は、そこを目指して多くの外国人を呼ぼうとしているのです。

6. まとめ

  • 技能実習5年終了後の在留資格として「特定技能(仮称)」が検討されている。
  • 2018年秋の臨時国会に改正入国管理法を提出し、2019年4月には施行されるとの計画ですすめられている。
  • 資格取得の要件は、「業種に関係なく適用される共通基準」と、「職種ごとに求められる技能や資格を規定した業種別基準」の二段構えで定められる。
  • 技能実習でも人手不足が著しい「農業」「介護」「建設」分野での特別な在留資格になる。
  • 「特定技能」の5年間に他の在留資格への変更も可能。
  • 日本政府は日本での人手不足での決定打と考えている模様。