永住申請要件 4 -身元保証人とは/その道義的責任とは
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永住申請するときの身元保証人って何なのでしょうか。
入管手続きの中で、よく身元保証人が必要とされ、身元保証書の提出を求められる事があります。
例えば、在留資格認定証明書交付申請などでは日本人の配偶者等取得の場合に、身元保証人が必要です。
永住許可申請でも、身元保証書が必要書類としてあげられています。
そもそも身元保証人とは、何なのか?
この身元保証人とは、どのような責任を負うのでしょうか。
永住者になった申請人が犯罪を犯したら、身元保証人はどうなるの?
などという疑問はつきません。
永住許可申請書類の収集の最後になって、身元保証人が決まらないなんてことは、日常茶飯事です。
私も永住申請したいという方に対しては、最初に「身元保証人はいますか?」と聞くことにしています。
しかし、ほとんどの方は「大丈夫です」と答えておきながら、「実はあれから断られました。」なんて、言われることが多いのです。
そこで、身元保証人について、その責任やどのような人でもなることができるのか、などを見てみましょう。
目次
1. 身元保証人の責任とは法令の遵守、滞在費の負担、帰国費用の負担
外国人が日本に永住しようとする場合、
- 法令の遵守→「日本で法律を守って生活してくれるのか」、「警察のご厄介にならないように過ごしてくれるのか」
- 滞在費の負担→「経済的に破綻し生活に困窮するような場合に助けてくれる人がいるか」
- 帰国費用の負担→「帰国費用を支払ってくれる人がいるか」
これら3つの保証があるかどうかが、外国人の入国や在留を認めるかどうかの決め手になります。
これらの事柄を保証するのが身元保証人と呼ばれています。
2. 身元保証人の保証は道義的責任にとどまる
身元保証人といっても、民法上の連帯保証人といった厳格なものではなく、入管法上の独自のものです。
万が一の場合にも、「直ちに、法律上の責任を追求されることはない」といわれており、その責任は道義的責任にとどまると考えられます。
法的責任ではありません。
つまり、外国人に代わり、罰金を支払ったり、逮捕されたりすることはありません。
そんな、身元保証人なのですが、身元保証人を見つけられない場合は、残念ですが永住申請できません。
3. 身元保証人は日本人か永住者に限られる
身元保証人には、日本人、在日外国人を問わず、誰でも身元保証人になれるとされています。
しかし、実務上は、日本人または永住者でないと許可が下りません。
「日本人の配偶者」や「永住者の配偶者」は、自分の配偶者(日本人、永住者)に身元保証人になってもらうことができます。
その他の人は、周りの友人や恩人、上司、ホストファミリーなどに頼むことになります。
そのためにも、普段から、人との関係は良好に保っていきましょう。
4. 身元保証人としての提出書類は住民票、在職証明書、納税証明書
身元保証人としての審査には、身元保証書の他に、
- 身元保証人の在職証明書
- 所得・納税証明書
- 住民票
の提出が求められます。
5. まとめ
- 身元保証人の責任とは法令の遵守 滞在費の負担 帰国費用の負担の3つであり道義的な責任にとどまる。
- 実務上は、日本人または永住者でないと許可が下りません。
- 身元保証人の在職証明書、所得・納税証明書、住民票の提出が求められます。
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永住申請要件とは-素行善良要件,独立生計要件,国益要件,身元保証人の確保など考慮すべき点が多い
永住申請要件 2 独立生計要件とは/安定した年収を確保し生活保護を受給しないこと
永住申請要件 3-1 国益要件/居住10年要件とは/日本に何年住めば永住権がとれるのか
永住申請要件 3-2 国益要件/在留期間の要件とは-最長の在留期間「5年」か「3年」でも可