永住許可されやすい日本への貢献とは「許可・不許可」事例から読み解く<経済・産業分野編>

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永住許可の許可・不許可を検討する2回目の分野は、<経済・産業分野編>です。

 <経済・産業分野>でのガイドラインは

次のように定められています。

  • 日本の上場企業又はこれと同程度の規模を有する日本国内の企業の経営におおむね3年以上従事している者又はかつてこれらの企業の経営におおむね3年以上従事したことがある者で,その間の活動により我が国の経済又は産業の発展に貢献のあった者

  • 日本国内の企業の経営におおむね3年以上従事したことがある者で,その間に継続して1億円以上の投資を行うことにより我が国の経済又は産業の発展に貢献のあった者

  • 日本の上場企業又はこれと同程度の規模を有する日本国内の企業の管理職又はこれに準ずる職務におおむね5年以上従事している者で,その間の活動により我が国の経済又は産業の発展に貢献のあった者

  • 我が国の産業の発展に貢献し,全国規模の選抜の結果として賞を受けた者

  • 例:グッドデザイン賞(財団法人日本産業デザイン振興会主催)の大賞又は特別賞

  • 先端技術者,高度技術者等としての活動により,我が国の農林水産業,工業,商業その他の産業の発展に多大な貢献があった者

  • IoT 又は再生医療等の「成長分野」の発展に寄与するものとして事業所管省庁が関与するプロジェクトにおおむね5年以上従事している者で,その間の活動により我が国の経済又は産業の発展に貢献のあった者

    法務省のホームページより引用。

とされています。

特に最後のIoT又は再生医療等の「成長分野」の部分は、2017年4月26日に追加されたものです。

それぞれを参考にしながら、永住許可・不許可事例をみてみましょう。

まずは、経済・産業分野の不許可事例から。

不許可事例1

日本産競走馬の生産・育成,輸出,馬産農家経営コンサルタント,講演等を行っているとして申請があったが,入国後1年半と短期であることから不許可となった。

→ガイドラインを参照すると、日本の企業の経営に「おおむね3年以上」とあるので、短期であることが、不許可の原因です。

不許可事例2

本邦で起業し,当該法人の経営を行っているが,その投資額,利益額等の業績からは顕著なものであるとはいえず,我が国経済又は産業に貢献があるとは認められず,不許可となった。

→ガイドラインを参照すると、投資額として、継続して1億円以上の投資とあるので、この値に達していなかったと考えられます。

不許可事例3

投資関連企業の課長相当職にある人物であるが,当該勤務のみをもって我が国経済に貢献があるとは認められず,他に貢献に該当する事項もないことから不許可となった。

→ガイドラインからは、「日本国内の企業の管理職又はこれに準ずる職務におおむね5年以上従事」で、その間に「我が国の経済又は産業の発展に貢献のあった者」とされています。この場合、勤務のみで、貢献があるとは認められずということです。

不許可事例4

システム開発関連企業の課長補佐相当職にある人物であるが,当該勤務のみをもって我が国経済に貢献があるとは認められず,他に貢献に該当する事項もないことから不許可となった。

→不許可事例3と同じ理由で不許可となった例です。

次に許可事例です。

許可事例1

システム開発等の中心的役割を担う立場として顕著な実績を挙げており,その実績は高く評価されていることから,我が国の情報技術産業に貢献が認められた(通算在留歴10年9月,入国後6年)。

先端技術者,高度技術者等としての活動に値すると評価された事例です。

許可事例2

本邦内の自動車生産会社に勤務し,粉末冶金関係の論文を多数発表し,日本金属学会誌等に多数掲載されているほか,権威ある協会から表彰されており,産業の発展及び研究分野における貢献が認められた。(在留歴8年6月)

→本事例では、経済・産業分野ばかりではなく研究分野においても貢献が認められている例です。

まとめ

  • ガイドラインで示されているように、貢献した期間が内容により「おおむね3年」や「おおむね5年」以上であることや、投資額では1億円以上であることが、永住許可を与える基準として運用されていることがわかる。これらの数値基準は達成することが許可への第一歩といえます。
  • 情報産業、再生医療などの最先端技術が注目されているので、これからはそのような分野での活躍が日本への貢献と判断されることが、これから多くなるのではないかと考えられます。