吉田麻也が永住権「イングランド人になりました」/永住と帰化は全く違うもの
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皆さんはなにかスポーツをやっていますか?
私は、週に1回のジム通いで、ランニングぐらいしかスポーツと言えるようなものをやっていません。
しかし、スポーツ観戦となると、サッカーをよく観ます。
特にJリーグは、1992年の発足当時から、主な記念大会やW杯はテレビで、気合が入っているときにはスタジアムまで観に行くこともあります。
しかし、海外のサッカーとなると、なかなか観に行くことができませんね。
時間やお金もかかるし、ブラジル、イングランド、ドイツ、スペイン、イタリアなど、世界には、超有名なサッカーリーグがあり、どれを観たら良いのかもわかりません。
そんな中、ちょっと気になるニュースが、報道されたので、今日はそのニュースにつっこみを入れながら解説します。
目次
1. 日本代表DF吉田麻也はイングランド人なのか
結論から言うと、永住権を取得しても、イングランド人にはならず、日本人なのです。
そもそも、今日の題名、英プレミアリーグのサウサンプトン吉田麻也選手が、なんかやらかしたのかと思ってしまいました。
鼻を整形して、イングランド人のような鼻高な顔になってSNSで公表したとか…。
そこで、報道をよく見てみると、次のような内容でした。
2019年3月10日、騰訊体育(中国のスポーツメディア)は、英国での永住権を取得した日本代表DF吉田麻也について「引き続き日本代表として出場できるのか」と報じました。
一方、吉田麻也選手は、言わずとしれた日本代表のDFで、前回のワールドカップ後に長谷部選手から、日本代表キャプテンを譲り受けた選手です。
その吉田選手が、英国に6年居住したいま、英国の永住権を取得したとの報道があったのです。
2. 永住と帰化は全く違うものです
よって、英国の永住権を取得しても、日本代表としてしかプレーできません。
100%日本人であり、英国に、ずーっと住んでても良いよという権利を取得しただけです。
言い方を変えると、どんなにサッカー英国代表監督に気に入られようが、英国代表としては、出場できません。
一度日本代表として、W杯に出場しているので、変えることもできません。
よって次回はイングランド代表で出場とはいかないのです。
3. 吉田選手の勘違いも はなはだしい
吉田選手自身が「永住権を取得したので、公式にイングランド人になりました」と地元メディアに話したと書かれているので、調べました。
地元メディアとは、有名な英国日刊大衆タブロイド紙「The Sun」でした。
吉田選手の発言も、それを記事にした「The Sun」も怪しいですが、それぞれ述べていることが事実だとしたら、吉田選手の勘違いもはなはだしいものです。
永住権は、英国に長期間住むことができる権利であり、国籍は日本人のままです。
一方、「帰化」と呼ばれるものは国籍を変更することで、帰化であれば、吉田選手の国籍は日本人から英国人に変更されます。
帰化とW杯といえば、第2次世界大戦時には、ドイツがアルゼンチンの選手を帰化させて、ワールドカップを戦わせたという記録もあります。
「永住」と「帰化」の違いについての詳細は、下記の記事を参照してください。
4. 英国の永住権を取得する条件とは
日本での永住権を得る条件は、一般的には10年以上日本に居住することなど様々なものがあります。
日本の永住権の要件については以下の記事を参照してください。
今回の報道で、英国の永住権を取得するシステムの一端がわかりました。
4-1. 居住要件
最初に、「傑出したスポーツ選手は5年以上現地に在住すると永住権取得申請の権利を得ることができる」
「傑出した」の程度はわかりませんが、プレミアリーグでのレギュラー程度の確保が必須ではないでしょうか。
4-2. 語学試験
スピーキングとリスニング、程度はわかりませんが、ある意味当然ですね。
現地語が話せないと生活面でも大変です。
4-3. 一般常識試験
life in the UK(英国での一般常識が問われる)という一般常識試験があります。
「life in the UK」という英国に関する問題は英国人にとっても難しいもののようです。
英国の政治、宗教、歴史、文化などに関する問題が24題出され、18問以上正解で合格になるもので、問題内容が非常に難しく、「ネイティブの英国人ですら合格ラインを突破できない人が多い」ほどの難関だそうです。
相当難しいようですが、永住と帰化の違いくらいわかって欲しいものです。
日本の永住許可もこのような試験を行ってみるのも良いと思いますが…。
5. まとめ
- 日本代表DF吉田麻也が、英国の永住権を取得した。
- しかし、帰化ではないので、あくまでも日本人。これからも日本代表としてプレーできます。
- 英国の永住権取得要件の一つに、傑出したスポーツ選手は5年以上現地に在住することが必要。
- スピーキングとリスニングの語学試験がある。
- life in the UK(英国での一般常識が問われる)という一般常識試験があり、英国人にとっても非常に難しいものである。