永住者と特別永住者の違いとは/在留カードと特別永住者証明書

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いきなりの質問です。

永住者」と「特別永住者」の違いって知ってますか?

「永住者」と「特別永住者」は、両方共に「永住権をもっている外国人」ということはわかりますよね。

それぞれ何が違うのかと問われたとき、あなたはその違いを説明できますか?

特別永住者は、「特別」の文字がついているので、何かスペシャルな権利などをもっているのでしょうか。

両者は同じようにみえますが、違いははっきりしています。

今日は、永住者と特別永住者の違いについて見てみましょう。

1. 特別永住者には歴史的背景がある

特別永住者には、歴史的背景があります。

実は、特別永住者入管法上の在留資格ではありません

第2次世界大戦終戦前から引き続き居住している在日韓国人朝鮮人台湾人およびその子孫在留するための資格日本で生活する資格)なのです。

ちょっとややこしですが、在留するための資格(特別永住者)在留資格(永住者)は違います。

従来、これらの人々の在留資格については複雑に分かれていました。

日韓法的地位協定に基づく協議が最終的に決着したのをうけて、1991年に「日本国との平和条約に基づき、日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」 (平成3年法律 71号) が定められ、「特別永住者」として在留することになりました。

よって、この記事を読んでいるあなたに、第2次世界大戦当時からの歴史背景がなければ特別永住者にはなれません

特別永住者」の地位に相当する外国人の割合は戦後~昭和30年代までは全体の90%近くを占めていましたが、「特別永住者」の人数自体の減少と来日する外国人の増加により相対的に減少傾向にあり、「特別永住者」の総数はさらに下降すると考えられます。

それとは対象的に「入管法」上の「永住者」の在留資格は一貫して増加傾向にあり、外国人登録者数は平成19年(2007年)「永住者」が「特別永住者」を上回りました。

在留資格「永住者」をもつ外国人は、在留している外国人の約1/3を占めるまで増加しています。(2018年1月現在)

2. 2012年7月9日新しい在留管理制度がスタート

2-1. 特別永住者証明書と在留カード

2-1-1. 特別永住者証明書

特別永住者には「特別永住者証明書」が交付されています。

交付は、居住地市区町村役場の窓口で行われています。

また、改正された住民基本台帳法に基づき、お住まいの市区町村で住民票が作成されます。

これまでの登録原票記載事項証明書に代わる証明書として、市区町村の窓口で住民票の写しを受けることができます。

2-1-2. 在留カード

一方、在留カードは、正規に我が国に中長期間在留する外国人の方に交付されます。

もちろん、永住者はこの「在留カード」を常時携帯しています。

次の1~6にあてはまらない外国人が、在留カードを携帯していることを義務付けられているのです。

  1. 「3月」以下の在留期間が決定された人
  2. 「短期滞在」の在留資格が決定された人
  3. 「外交」又は「公用」の在留資格が決定された人
  4. 「特定活動」の在留資格が決定された、亜東関係協会の日本の事務所(駐日台北経済文化代表事務所等)もしくは駐日パレスチナ総代表部の職員又はその家族の方
  5. 特別永住者
  6. 在留資格を有しない人

つまり、永住者や留学、技術・人文知識・国際業務などの一般の在留資格を持つ外国人には、在留カード交付されています。

この在留カードの交付は、東京入国管理局を含む地方入国管理局等で行われます。

この在留カードをもっている多くの外国人の場合にも、住民票が居住地の市区町村役場で作成され、その窓口で住民票の写しを受けることができます。

外国人は、自分の在留カードを携帯し、在留カードを認識していますが、意外と住民票があることに気がついていない人がいます。

何かの手続で取得をサポートして差し上げた時に、自分の住民票をみて驚いている方がいるのが現状です。

2-2. どちらのカードにも有効期限はある

「永住者」「特別永住者」ともに、在留期間は「無期限」ですが、「在留カード」、「特別永住者証明書」には、それぞれ有効期限があります

上記のサンプルの写真を参考に、ご自分のカードの有効期限を確認してくださね。

3. 特別永住者には優遇措置も

3-1. 退去強制

特別永住者は、退去強制となる条件が他の外国人よりも限定されています(特例法第9条)。

特別永住者以外の外国人の退去強制手続が出入国管理及び難民認定法第24条に規定される退去強制事由(20項目以上)に基づくのに対し、特別永住者には同条は適用されず日本国の治安・利益にかかわる重大な事件を起こさない限り退去強制となることがないとされています。

特別永住者は、戦争の前から日本に住んでいたこともあり、いまさら母国に帰ることもできないでしょうから、人道上の配慮がなされているのです。

3-2. 再入国許可

通常の外国人(永住者含む)の場合、再入国許可の有効期限の上限5年であるのに対し、特別永住者の上限は6年です。

1年ですが優遇されています。

3-2-1. みなし再入国許可

有効な旅券及び特別永住者証明書を所持して出国する者に適用される「みなし再入国許可」については、有効期間2年間(永住者を含む通常の外国人については1年間)のみなし再入国許可があったものとみなされます。

3-3. 携帯義務

永住者は一般の外国人と同様在留カードの携帯義務があります。

一方、特別永住者は特別永住者証明書の携帯義務はありません

万が一、入管職員等から特別永住者証明書の提示を求められた場合には、例えば、保管場所まで同行するなどして、提示することが必要です。

この様な同行を行ったなんて聞いたことありません。

4. まとめ

永住者と特別永住者の違いとは

  • 特別永住者には、歴史的な背景から在留する資格を与えられた経緯がある。
  • 「特別永住者」は入管法上の在留資格ではない。
  • 2012年7月9日新しい在留管理制度がスタートし、特別永住者には「特別永住者証明書」、永住者には「在留カード」が交付されている。
  • 在留期間はどちらも「無期限」ですが、カードの有効期限はある。
  • 特別永住者には優遇措置がある。(退去強制、再入国許可、携帯義務)
  • 特別永住者は日本にとって特別な存在である。