国籍の留保をしなかった場合の国籍の再取得(国籍法第17条)

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日本国籍を取得するには,出生,届出,帰化の3つやり方があります。

出生による国籍の取得は国籍法第2条に定義されていて、本ブログでも「国籍法上の2重国籍問題と血統主義、出生地主義とは(国籍法第2条)」で、紹介しました。

また、届出による国籍の取得に関しては、「認知された子どもの日本国籍取得について(国籍法第3条)」で、一部ご紹介済です。

今日は、届出による国籍の取得の未紹介部分について見ていきましょう。

1. 国籍の再取得(国籍法第17条第1項)について

国籍法17条には日本国籍の再取得について書かれています。

このあたりが難しくて、きっと民進党の「蓮舫2重国籍問題」が起こったのではないかと思います。

(第17条第1項)「日本国籍留保届」の未提出により国籍を喪失した者のうち、20歳未満のもので、日本に住所を有するときは、法務大臣への届出の日に国籍を再取得する。

とされています。

1-2. 2重国籍問題が

これってどのような意味かというと、2重国籍が背景にあります。

日本は「血統主義」です。(国籍法第2条)

それに対して、米国やカナダは、出生地主義です。

この国籍の考え方の違いが、問題を発生させるのです。

たとえば、日本人同士の夫婦が米国国内で子供を産んだ場合、その子どもは、日本国からいうと父母が日本人なので「日本人」であり、米国から言わせると米国で生まれたので「米国人」となります。

つまり、2重国籍です。しかし、この時点では違法でもなんでもありません。

この場合、日本の法律では22歳になる前に国籍を選択しなければなりません。

1-3. 日本国籍を留保する

しかし、選択の前に「日本国籍留保届」という前提があるのです。

子どもがこのような状況で生まれた場合には、子の出生の日から3か月以内に出生届とともに「日本国籍を留保する旨の届出」をする必要があります。

具体的には,出生届の用紙中に、「日本国籍を留保する」旨の記載をすることとなります。

この日本国籍を留保する届出をしなかったときには、その出生の時にさかのぼって日本国籍を失います

ちなみに、出生届の期限は、日本で産んだ時は14日以内であり、海外で出産したときには3ヶ月です。

1-4. 日本国籍を留保しなくても、20歳未満で日本に住んでいれば、届け出により再取得可

この届出がないと日本国籍は得られないのですが、

  • 20歳未満
  • 日本に住所を有する

ときは、法務大臣への届け出ることにより、届出の日に国籍を再取得するとされています。

これが、国籍法第17条第1項です。

2. 国籍の再取得(国籍法第17条第2項)について

2重国籍を持っている人に対して、日本国は22歳までに国籍の選択をするようにうながす通知を行ないます。

通常は官報による催告を行うことになります。

「官報」という日本国が日本国民に対して通知する方法があるのですが、その公の文章に掲載されることです。

以前は、紙での官報しかありませんでしたが、現在ではWeb版の官報もあります。

しかし、ほとんどの場合には、官報を読んでいる人などいないので、催告を無視した形になり、国籍を失うことになります。

国籍法第17条第2項とは、このようにして日本国籍を失った人に対して、日本国籍を失ったことを知った日から1年以内に法務大臣に届け出ることによって、国籍を再取得できる。

ただし、天災等どうしようもない理由によってその期間内に届け出ることができないときは、その期間はこれをできるようになったときから1月とする法律です。

3. まとめ

  • 国籍の留保をしなかった場合の国籍の再取得は、国籍法第17条に定められている。
  • 日本人が出生地主義の国で子どもを出生する場合には、2重国籍が得られる。
  • この場合、日本国籍を一時的にキープするには、「日本国籍留保届」が必要。
  • 日本国籍留保届を行っていない場合でも、要件を満たせば、日本国籍を取得することは可能。
  • 官報催告によって国籍を喪失した方の再取得も国籍法第17条第2項に決められている。