UNHCR難民高等教育プログラムって知っていますか/難民に開かれる大学進学の道

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

毎年、日本のニュースで必ずと言っていいほど、悪いこととして報道される「難民認定問題」。

1年間で、何万人も難民認定申請を行っているにもかかわらず、約30人前後の認定しかされないと、悲観的な報道がされています。

(ちなみに、2017年に難民認定された外国人は20人でした。)

当事務所では、難民に関しては、以下のブログでも意見を言っていますが、

  • 現在の難民認定申請者のほとんどが、日本での就労目的に申請していること。
  • 真の難民」と呼べるような人はごく少数に限られる。「真の難民」と「就労目的外国人」に分けて在留審査を行われるべきというものです。

実際に、当事務所でも「真の難民」と思われるような外国人から相談を受けたことはありません。

2018年6月6日(水)に放送になったNHK「クローズアップ現代+」で、ようやく就労目的の難民認定申請がほとんどであると、報じられました。

少しは、日本中に理解されてきた難民問題ですが、当事務所では、真の難民の方々や難民認定申請そのものに文句を言いたいわけではありません。

誤解のないようにお願いします。

ということで、本日は難民認定された人にとっての朗報とも言うべき「UNHCR難民高等教育プログラム」をご紹介します。

1. UNHCR難民高等教育プログラムとは

UNHCR難民高等教育プログラム

UNHCR難民高等教育プログラムにリンク

日本に住む難民のみなさんが、奨学金を受けながら、日本の4年制大学で就学できるようにサポートするプログラムです。

当然、難民の人たちは、経済的な理由で、日本の大学などの高等教育機関に通うことが困難な人が多いことと思います。

そのような人のための奨学金制度なのです。

よって、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)から推薦されると、入学金や学費が無料となり、奨学金も給付されます。

2. 運営主体は

が運営しています。

3. このプログラムに参加している大学は

現在(2018年6月現在)このプログラムに参加している大学は、次の8校です。

参加大学名所在地募集人数
関西学園大学兵庫県西宮市・三田市3人(日本語2人、英語1人)
青山学院大学東京都渋谷区・神奈川県相模原市1人(日本語)
明治大学東京都千代田区・杉並区・中野区・神奈川県川崎市2人(日本語か英語)
津田塾大学東京都小平市1人(日本語、女性)
創価大学東京都八王子市1人(日本語)
上智大学東京都千代田区1人(日本語か英語)
明治学院大学東京都港区、神奈川県横浜市1人(日本語か英語)
聖心女子大学東京都渋谷区1人(日本語、女性)
広島市立大学広島県広島市
早稲田大学 東京都新宿区
関西大学大阪府吹田市、大阪府吹田市

2007年度に関西学院大が、初めて導入して以降、増え続けています。

関西学院大学って、この分野ではパイオニアだったんですね。

そして、2019年度から広島市立大早稲田大関西大の3校が新たに、このプログラムを導入する方針を示しています。

また、早稲田大は、学部生ではなく初めて大学院生として受け入れることとなっています。

これにより、大学院生としての道も開かれることになりますね。

4. 大学によっては「英語」で学位取得ができることもある

上記の表にかかれている「英語」「日本語」の文字は、それぞれ、日本語で学位を取得する人英語で学位を取得する人を意味しています。

一部の「英語」コースでは、英語で試験を受けたり論文を書いたりして卒業できる大学もあります。

難民の中には、日本語習得が遅れ気味で、英語でならOKという人も多いはずです。

英語しか話せない難民の人には好都合ですね。

5. 難民高等教育プログラム生として守ってほしいこと

難民高等教育プログラムで守ってほしいこととして次のような4項目があります。

これらを見ると当然と思われるようなことです。

  • 4年間、良い成績を修めること
  • 学習報告レポートを、年2回UNHCRへ提出すること
  • 在学中に少なくとも一回難民高等教育プロジェクトの企画に参加すること(例えば、セミナー等にスピーカーとして参加するなど)
  • 難民高等教育プログラムフォローアップ会合卒業後のインタビューへ定期的に参加すること

など、上記4つの項目が守ってほしいとことして定められています。

6. 選考の流れは

(日程は参考です。毎年変わりますので、ご注意ください)

  1. 募集要項公開 毎年6月下旬
  2. 応募締切 毎年8月上旬
  3. 書類選考 毎年8月中旬
  4. 筆記試験 毎年8月下旬 会場は関東と関西の可能性あり(語学と小論文のテスト)
  5. 面接 毎年8月下旬 場所はUNHCR駐日事務所(東京)
  6. 推薦決定 毎年9月上旬 選考委員会が大学に推薦
  7. 最終決定 毎年9月中旬~12月上旬(予定) 受け入れ大学が決定

*大学による選考は、大学によって時期が異なります

7. しかし、2018年度の入学生がゼロだった大学も現実にはあった

入学生がゼロだった理由として、その大学での日本語レベルの期待度と難民らのニーズとのミスマッチがあげられています。

日本の大学側は、日本語検定のN1やN2レベル(かなり困難なレベル)を求めているのに対して、難民の外国人側のその大学に対する期待度が合わないということもあるのです。

対策として、大学側は今後、英語だけで卒業できる枠院生の枠増やすなどすると期待されています。

8. まとめ

  • UNHCR難民高等教育プログラムとは日本に住む難民のみなさんが、奨学金を受けながら、日本の4年制大学で就学できるようにサポートするプログラムです。
  • UNHCRから推薦されると、入学金や学費が無料となり、奨学金も給付されます。
  • 運営主体は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所と特定非営利活動法人国連UNHCR協会が運営している。
  • 現在(2018年6月現在)このプログラムに参加している大学は、8校です。2019年度から新たに3校が追加になり、大学院課程もできる。
  • 一部の「英語」コースでは、英語で試験を受けたり論文を書いたりして卒業できる大学もある。