[図解]法務省から在留審査処理期間が公表されたので比較してみました(最新版)

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以前、当ブログでも取り上げた記事「外国人の在留手続き期間、法務省がHPで公表へ」に5回目の進展がありました。

1回目は、平成29年4月1日~6月30日許可分()の在留審査処理期間が公表されました。

2回目は、平成29年7月1日~9月30日許可分()の公表が行われました。

3回目は、平成29年10月1日~12月31日許可分()でした。

4回目は、平成30年1月1日~3月31日許可分()でした。

そして、今回は5回目として、平成30年4月1日~6月30日分()の公開です。

詳しく公表された値を確認したい方は、「在留審査処理期間(日数)の公表について」にアクセスをして下さい。

PDF版の報告書がダウンロードできます。

この報告書があるWebページをみると書いてありますが、さすがに、毎月ごとではなく四半期ごとの処分日を基準として公表するそうです。

他にも、ただし書き4つほどあります。

  • 「外交」「公用」の在留資格は除くこと。(注意:永住者も除かれています。)
  • この資料は申請を受けてから許可に至るまでの間(許可を告知するまで)であり、不許可処分・申請取下げ等は含まれないこと。
  • 在留期間更新許可申請,在留資格変更許可申請の場合、処分日は許可の告知時(入国管理局にお越しいただく日)となるため、実際の審査自体は表示された日数よりも短い場合があること。
  • 特定活動は行おうとする活動によって審査期間が異なること。

などです。

今回は、5回目にも当り、過去のデータも蓄積されてきたので、5回のデータを可視化して(データ処理して)皆さんとみていくことにしました。

1. 就労資格内比較

1-1. 在留資格認定証明書交付申請

図1.在留資格審査期間(在留資格認定証明書交付申請-就労資格内比較)

図1.在留資格審査期間(在留資格認定証明書交付申請-就労資格内比較)

最初の図1は、就労ビザのうち、外国人を外国から呼び寄せるための申請である「在留資格認定証明書交付申請」での比較のグラフです。

審査期間の特徴として、時期によるばらつきよりも、在留資格そのものの違いによる審査期間の違いが大きいことがわかります。

大抵の在留資格の審査期間は60日以内に収まっていますが、「経営・管理」や「技能」の審査期間は約80日程度(①)かかっています。

やはり、本人に関する調査にも時間がかかる上に、申請者の行う予定の事業に関する調査(職種、登記や事業所確保の確認など)に時間がかかっているということでしょう。

次に「介護」をみてみると(②)他の在留資格よりも30日程度多く審査期間が必要な事がわかります。

これは、新設された在留資格のために、入国管理局が慣れていないことも考えられます。

この値ですが、平成29年秋には、発表がありましたが、最近2回の発表には、値が書かれていません。

申請者数が、極端に少ないか、ほとんどの介護士資格を持った外国人が、1回目の時期(H29秋)に入国したものと思われます。

1-2. 在留期間更新許可申請

図2.在留資格審査期間(在留期間更新申請_就労資格内比較)

図2.在留資格審査期間(在留期間更新申請_就労資格内比較)

図2は、在留期間更新許可申請の審査期間ですが、一部の在留資格に異常値があるものの(④)平成30年の冬に限ったことであり、通常は、ほぼ一定の40日以内に収まっています。

1-3. 在留資格変更許可申請

図3.在留資格審査期間(在留資格変更許可申請-就労資格内比較)

図3.在留資格審査期間(在留資格変更許可申請-就労資格内比較)

図3は、在留資格の変更許可申請に関する審査期間を示しています。

高度専門職1号イから高度専門職2号(⑤)、そして技能実習1号イから3号ロまで(⑥)がもっている傾向として、号数が上がるに連れて、審査日数が必要であるということがわかってきました。(図中赤線内の右上がり傾向

特に最新の平成30年1月~6月までの技能実習1号から3号においては、きれいにその傾向がみることできます。

比較的簡単に、入り口である1号へ変更できるのですが、その後は在留資格を変更することが大変になってくることがわかります。

このような現状があるので、多くは高度専門職2号などに進むよりも、メリットの多い「永住者」への変更をめざすことになるのです。

2. 非就労資格内比較

2-1. 在留資格認定証明書交付申請

図4.在留資格審査期間(在留資格認定証明書交付申請-非就労資格内比較)

図4.在留資格審査期間(在留資格認定証明書交付申請-非就労資格内比較)

図4は、4つの非就労ビザ(文化活動,留学,研修,家族滞在)在留資格「特定活動」在留資格認定証明書交付申請の審査期間を比較したものです。

留学以外は、ほぼ一定(約40日程度)です。

それに対して、留学ビザで入国するための審査期間は、ばらつきが大きく、特に入学シーズンを控えた平成30年1~3月では、60日を超えています

当然、申請数が多いほど審査期間はかかることになり、その傾向が際立って見られるということでしょう。

法務省の公表値には、各在留資格-各申請内容別申請者の数が含まれていないので、確定的なことは言えませんが、今後、そのような数値も明らかにしてほしいと思います。

2-2. 在留期間更新許可申請

図5.在留資格審査期間(在留期間更新許可申請-非就労資格内比較)

図5.在留資格審査期間(在留期間更新許可申請-非就労資格内比較)

図5は、非就労ビザ「特定活動」でのビザ更新審査期間について示しています。

非就労資格のビザ更新期間に関しては、「短期滞在」が極端に短かくなっています。

「短期滞在」の期間更新というと、通常3ヶ月の期間で入国し、その後、1回のみ3ヶ月の継続滞在を申請するものです。

特に申請理由以外には重要な審査項目もないので、短期間で審査されているようです。

留学や家族滞在などの他の非就労資格に大きな違いは見られません。

2-3. 在留資格変更許可申請

図6.在留資格審査期間(在留資格変更許可申請-非就労資格内比較)

図6.在留資格審査期間(在留資格変更許可申請-非就労資格内比較)

図6は、非就労ビザ「特定活動」での在留資格変更許可申請の審査期間を示しています。

短期滞在の若干短いものの、更には「研修」で異常値が見られますが、N数が少ないため異常値としてカウントされたものと考えられます。

特に言及する必要があるものはありません。

3. 身分系資格内比較

3-1. 在留資格認定証明書交付申請,在留期間更新許可申請,在留資格変更許可申請ほぼ一定で変わらない

身分系資格(日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)に関しては、結論から言います。

在留資格認定証明書交付申請、期間更新許可申請、変更許可申請ともに、審査期間が一定しており、在留資格により審査期間の違いなどは見られません

在留資格認定証明書交付申請にて、(長)定住者>永住者の配偶者等>日本人の配偶者等(短)という傾向(④)が見られますが、定住者と日本人の配偶者等

の審査期間の違いは極わずかです。

図7.-在留資格審査期間(在留資格認定証明書交付申請-身分系資格内比較)

図7.-在留資格審査期間(在留資格認定証明書交付申請-身分系資格内比較)

図8.-在留資格審査期間(在留期間更新許可申請-身分系資格内比較)

図8.-在留資格審査期間(在留期間更新許可申請-身分系資格内比較)

図9.-在留資格審査期間(在留資格変更許可申請-身分系資格内比較)

図9.-在留資格審査期間(在留資格変更許可申請-身分系資格内比較)

4. 永住許可申請は公表対象外

永住許可申請については、どのくらいの処理期間がかかっているのか。

入国管理局のHPによると、標準処理期間として、「4ヶ月」と書いてあります。

この標準処理期間ですが、あくまでも努力目標であって、必ず守らなければならない値ではありません。

現実的には、永住許可が取りやすくなっている現実がある中で、特に東京入管は激混みです。

当事務所でも、最低6ヶ月~12ヶ月というところです。

半年の幅は、個人の複雑な事情や同時申請する家族の人数、今までの税金や国民健康保険などの支払い状況等によって違うようです。

5.まとめ

  • 平成30年4月1日~6月30日許可分に関して、法務省から在留審査処理期間が公表されました。
  • 今回からは、グラフ化により比較しやすくなりました。
  • 所々に異常値があるものの、総じて審査期間は在留資格そのものにより、違ってくる傾向がある。
  • 在留資格「経営・管理」「技能」など審査項目の多い在留資格は、審査に長い期間が必要。
  • 最近増加している日本への留学生のための在留資格「留学」は、他の在留資格よりも審査期間が増加傾向ある。
  • 身分系在留資格(日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)に関しては、どの申請に関する審査期間も、ほぼ変わりなく一定であるが、就労ビザに比べて長い。
  • 永住許可申請は公表対象外。当事務所でも、…。