国籍の選択は何歳までにすればよいのですか-国籍選択可能年齢について

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突然ですが、多重国籍者(複数の国籍を持っている人)からの質問で多いのが、この質問です。

何歳までに国籍を選べばよいのですか?

確かに、悩める問題ですね。

「もし、決まった年齢を過ぎている場合には、何か罰を受けるのでしょうか?

「とにかく、どうすればよいのですか?」

このような質問が電話やメールで寄せられています。

今回は、このような疑問をもつあなたに答えます。

1. 日本国籍を選ぶ場合(年齢条件)

国籍法では、多重国籍になったのが、20歳未満のときには22歳になるまでに、その時が20歳以上の時には多重国籍になったときから2年以内に、「選択の宣言(せんたくのせんげん)」をしなければならないとされています。

例えば、自分が35歳の時に多重国籍になった時には、2年以内に「選択の宣言」を行ないます。

「選択の宣言」とは、「私は日本国籍を選択し、かつ外国国籍を放棄しますという宣言」です。

「選択の宣言」ですが、実際にはどこで、何を、行うのでしょうか。

1-2. 「国籍選択届」(日本に住んでいる場合)

お住いの市区町村役場に、日本国籍を選択し、外国の国籍を放棄する旨の「国籍選択届」をすることになります。

法務局ではありません。

1-3. 「国籍選択届」(外国に住んでいる場合)

外国にある日本の大使館や領事館に、日本国籍を選択し外国国籍を放棄する旨の「国籍選択届」をすることになります。

1-4. 国籍選択届を行えば、外国籍を失ったことになるのか

この質問に対して、「その外国の制度により異なります」という答えになってしまいます。

理由は、「日本の法律によって外国国籍を失わせることは、その国への内政干渉になるため」に、強制的に外国籍を失わせることができないのです。

では、国籍法ではなんと言っているかというと「外国国籍の離脱に努めなければなりません」という、あくまでも外国籍を離脱することは努力義務だと言っているのです。

努力義務であるので、外国籍から離脱しなくても良いということになります。

もちろん、その外国が日本の国籍法のように「ある外国の国籍を選択したら、我が国の国籍を失ったことになる」ということを認めたり、法律化しているような国であれば、外国籍を失うことになります。

2. 外国籍を選ぶ場合

「国籍離脱届(こくせきりだつとどけ)」「国籍喪失届(こくせきそうしつとどけ)」を提出します。

2-1. 日本に住んでいる場合

住所地を管轄する法務局に戸籍謄本や住所を証明する書面、外国国籍を有することを証明する書面を添付して、「国籍離脱届」を提出します。

同様に、その外国の法律に定める方法により、外国国籍を選択したことを証する書面を添付の上、市区町村役場に「国籍喪失届」を提出します。

2-2. 外国に住んでいる場合

そして、その外国の法律に定める方法により、外国国籍を選択したことを証する書面を添付の上、外国にある日本の大使館・領事館に「国籍喪失届」と「国籍離脱届」を提出してください。

ここでも、日本の縦割り行政の影響が出ていますが、あまり気にせずに。

国籍喪失届」は戸籍法103条による総務省の管轄であり、「国籍離脱届」は国籍法13条に基づく法務省の管轄なのです。

本来は同じ内容の届けなので1つで良いと思うのですが…。

3. 多重国籍者の実体は

では、多重国籍者、つまり、2つ以上の国籍をもっている人は、実際のところどうしているのか?

多くの多重国籍者は、法務大臣から催告(注意)を受けることなく、殆どの方が多重国籍のままです。

多重国籍者自身による届け出で国籍の選択や離脱が行われるので、徹底されていないのが実状です。

また、国によっても国籍離脱を嫌がる国が存在します。

そのような国からの離脱は、非常に手続がめんどくさく、なかなか認められません。

「国家」の構成要素である「国民」が減ることを許さない国が存在するということです。

さらに、外国の国籍担当機関日本の法務当局のデータが自動連動しているわけではないため、日本のお役所に日本の「国籍選択届」を提出しても、相手の外国側のお役所は何もわからないのです。

出生国主義の国であるアメリカやカナダ、オーストラリアなどに移住して、現地の市民権を取得した日本人の中で、「国籍喪失届」を提出するのは「1割」程度と言われています。

残りの9割は、現地人、かつ、日本人です。

これが現実!

4. まとめ

何歳までに国籍の選択をすればよいのか?

  • 多重国籍になったのが20歳未満のときには22歳になるまでに、その時が20歳以上の時には多重国籍になったときから2年以内に、「選択の宣言」をしなければならないとされている。
  • 日本国籍を選ぶ場合には、「国籍選択届」を提出する。
  • 外国籍を選ぶ場合には、「国籍離脱届」と「国籍喪失届」を提出する。
  • 多くの多重国籍者は、殆どの方が多重国籍のまま選択などしていない。