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在留資格「日本人の配偶者等」とは

日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者

該当例

日本人の配偶者・子・特別養子

在留期間

5年,3年,1年又は6月

その他説明

在留資格「日本人の配偶者等」は、一般的に配偶者ビザ・結婚ビザとも呼ばれていますが、実際には、この資格が与えられるのは、以下の三つのケースです。

  1. 日本人の配偶者
    「配偶者」とは、現に日本人と婚姻している外国籍の配偶者をいい、日本人配偶者が死亡した者や離婚した者は含まれません。法律的にも実質的にも婚姻状態になければならないので、内縁の妻や夫もしくは婚約者は含まれません。
  2. 日本人の特別養子
    「特別養子」とは、家庭裁判所の審判によって認められた、実父母との親族関係を切り離し、養父母との実子と同様な関係が成立している、6歳未満の養子で、普通養子は認められません。
  3. 日本人の子として出生した者
    「子として出生した者」とは、実子ですが、嫡出子のほか認知された非嫡出子も含まれます。ただし、その外国籍の子どもが出生したとき、父または母のいずれか一方が日本国籍を有している場合、または本人の出生時に父が死亡し、かつ、その父の死亡のときに日本国籍を有していた場合でなければなりません。本人の出生後、父または母が日本の国籍を離脱した場合でも「日本人の配偶者等」として認められます。

注意)「日本人の配偶者等」の在留資格の取得

日本人と結婚をすれば「日本人の配偶者等」の在留資格を必ずもらえるわけではありません。

配偶者ビザは、就労関係のビザや留学ビザなどに比べていろいろとメリットが多いため、偽装結婚などのケースがあとを絶ちません。

「日本人の配偶者等」申請の約7割が偽装結婚だとも言われ、入国管理局の審査も非常に厳しくなっています。

その結果、本物の結婚であっても手続きや書類に不備があれば、偽装結婚の疑いをかけられ、不許可となってしまいます。

(1)外国人配偶者が海外に居住している場合

本国にいる外国人配偶者を呼び寄せる場合は、

  1. 日本人配偶者が入国管理局に「在留資格認定証明書」を申請・取得し、
  2. その証明書を外国人配偶者に送付して、
  3. 外国人配偶者が居住地を管轄する大使館(領事館)で必要な書類と一緒に提出して査証(ビザ)を取得します。

 

(2)日本在留の外国人と日本で結婚した場合
  1. 入国管理局へその外国人が現在保有している在留資格から、「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可申請を行ないます。
  2. 再婚などの場合で既に「日本人の配偶者等」を所持していれば、次回の更新時に新しい婚姻の内容でビザ更新を行うことになります。
  3. この場合にはビザの更新となりますが、実質的な審査内容は新規に取得するときと同様の審査がなされます。
  4. なお、外国人がオーバーステイの場合は、在留特別許可を求めることになります。

「日本人の配偶者等」在留資格取得のポイント

自分たちの婚姻が正当なものであり、継続して日本で夫婦として生活基盤を築いていくことを、自ら証拠の提出をしながら立証しなければなりません。

2人が出会ってからどのような交際を行い、結婚までに至ったかを詳細に説明が必要ですし、その証拠としては、なるべく政府などの公的機関が発行したものを提出するなどにより、より信頼性を高めることができます。

または、現在も有効な在留資格をもって日本に滞在している場合には、過去のビザ申請の内容と現在の内容に矛盾が生じないように気を付ける必要があります。

日本人配偶者と離婚・死別した場合

残念ながら離婚をすることになった、あるいは日本人配偶者と死別したという場合は、配偶者の身分は失いますが、在留期限までは日本に滞在することができます。

ただし、在留期限までに、帰国するかそれとも在留資格の変更を申請するかを選択しなければなりません。

在留期限が経過した後も日本で暮らしたいという場合は、在留資格の変更手続きをしなければなりません。

以下のようなケースが考えられますが簡単ではありません。

  1. 日本人配偶者との間に未成年の子どもがいて、外国人配偶者が親権者で、かつ子どもを養育するという場合
    →在留資格「定住者」(1年)への資格変更が認められます。
  2. 日本人配偶者との間に子どもがいない場合、あるいは子どもがいても、日本人配偶者が親権者として養育している場合
    →婚姻期間およびその他の条件によっては、「定住者」への資格変更が認められる可能性があります。
  3. 就労系の在留資格への変更
    →学歴や業務経験といった条件を満たしていれば、「人文知識・国際業務」「技術」「教育」といった在留資格への変更は可能です。

永住者の配偶者等とは

永住者配偶者又は永住者のとして日本で出生しその後引き続き日本に在留している者

該当例

永住者・特別永住者の配偶者及び日本で出生し引き続き在留している子。

「永住者の配偶者等」の「」とは、「配偶者」以外に「子」も含む意味で使われています。

在留期間

5年、3年、1年又は6月

その他説明

在留資格該当性(どのような人が該当しているか?)

永住者の配偶者等」の在留資格は、「永住者」の配偶者、又は「永住者」の子として日本で出生し、その後引き続き日本に在留している者です。

現に婚姻中の者で、相手方の「永住者」が死亡したり、離婚した場合「永住者」・「特別永住者」の配偶者ではありません

在留資格の「永住者の配偶者等」に該当するには、単に入籍し法律上の婚姻関係があるというだけでは足らず、同居・相互扶助の関係にある夫婦共同生活をしているという婚姻の実態があり、婚姻関係が真実でなければ、在留資格該当性は認められません

ただし、別居状態にあるような場合でも、それのみによって婚姻実態がないとは判断されず、別居に至った経緯や生活費の負担状態、婚姻関係の修復の可能性などを総合的に判断されます。

「永住者・特別永住者の子」とは・・・父又は母が出生時、「永住者」又は「特別永住者」でなければなりません。

出生後に父又は母が「永住者」の在留資格を失っても、「永住者」の子として出生している事実に変わりなく影響を受けません

「子として」とは・・・子とは、婚姻している男女の間にできた子、婚姻外の子でも認知された子は含まれますが、養子は含みません

「日本で出生し」とは・・・日本で出生したことが必要です。外国で出生した子は含みません。外国で出生した子は「定住者」の在留資格を取得できる可能性があります。

「その後引き続き日本に在留」とは・・・日本で出生後、引き続き日本に在留していることが必要で、再入国許可を受けずに出国してしまうと、引き続き日本に在留していることにはならなくなるので注意が必要です。

「特別永住者」の子の場合・・・特別永住者の子として日本で出生し、出生後引き続き日本に在留する者は、入管特例法の規定により、出生から60日以内に特別永住の許可申請をします。

この申請は居住地の市区町村長へ申請書類等を提出し、法務大臣に送付され許可されます。

「永住者の配偶者等」の在留資格は、その身分を根拠とするものなので「上陸許可基準」はありませんが、法的及び実体的な婚姻関係の真実性、親子関係の真実性が問われます。

配偶者の「家族滞在」からの在留資格変更

就労資格で在留していた外国人が永住許可を受けた場合、その配偶者は、従前の「家族滞在」から「永住者の配偶者等」へ在留資格の変更ができます

扶養している未婚、未成年の実子の「家族滞在」からの在留資格変更

就労資格で在留していた外国人が永住許可を受けた場合、扶養している未婚、未成年の実子は「家族滞在」から「定住者」へ在留資格変更ができます

家族全員が永住許可申請する場合

永住許可申請をする者の配偶者や子が永住許可要件を満たさなくとも家族揃って永住許可を得られる場合があります。

永住許可を申請する者は申請時において「永住者」ではないので、永住許可申請をする者が永住許可要件を満たしていれば、その配偶者や子の居住年数基準は緩和され、

配偶者については「実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、引き続き1年以上日本に在留していること」、

子については「1年以上継続して日本に在留していること」の要件を満たせば許可されます。

ただし、素行不良の者がいると許可されないことがあります。

「永住者の配偶者等」の在留資格取消について

「家族滞在」、「特定活動」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」の在留資格について、配偶者として在留することを許可された者は、離婚、死別したときは、14日以内に入国管理局(法務大臣)へ届出が義務づけられています。

さらに、「日本人の配偶者等」の在留資格をもつて在留する配偶者が、正当な理由がないのに配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6月以上行わないで在留していると、在留資格取消事由に該当します。

「配偶者の身分を有する者としての活動」とは・・・永住者、特別永住者である配偶者が死亡したり、離婚した場合には、永住者、特別永住者の配偶者の身分を有する者としての活動に該当しないことになります。

また、婚姻関係が破綻し、回復する見込みがなく、同居し相互扶助の関係にないような場合も該当すると思われます。

「正当な理由」とは・・・婚姻関係の継続性や回復の見込みが認められるが、配偶者に対するDV(夫婦間暴力)や子への虐待などにより別居を余儀なくされている場合や単身赴任・出向、親族の介護等による別居などは、「正当な理由」に該当すると思われます。

救済措置(入管法第22条の5)

在留資格取消事由に該当する日本人の配偶者、永住者の配偶者、特別永住者の配偶者について、在留資格取消をしようとする場合には、他の在留資格への変更(定住者等)又は永住許可の申請の機会を与えるよう配慮しなければならないとされています。