外国人留学生の日本での起業支援のため経営管理ビザ拡大へのりだす日本政府

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「シュリンクする日本」。

そんな日本の現状を無視するかのように、東京都内や大阪圏、名古屋圏では、多くの外国人がみられるようになっています。

しかし、地方都市では、まだめずらしい外国人。

そのうち、徐々に地方都市にも浸透していくのでしょうか。

そんな外国人ですが、日本での起業となると、話は違ってきます。

簡単ではないのです。

外国人が日本で起業するためには、500万円以上の資本金を用意しなければいけないとか、または、常勤の従業員を2名確保しつつ起業するなどの大きな障壁が立ちはだかります。

そんな大変さが強調される外国人の起業ですが、「シュリンクする日本」を考えると、日本政府も黙って放置できなくなってきた現状があります。

最近、特区を利用した地方都市での外国人起業支援活動がありました。

日本政府が、その活動を参考に、起業支援を全国的なものにしたいと考えているようです。

福岡での起業支援からみてみましょう。

1. 福岡市の外国人起業支援特区とは

九州・福岡市ではいち早く「特区」として、約2年前から外国人起業支援をはじめています。

従来、在留資格「経営・管理」では、起業の準備は認められていませんでした。

また、最初に出る在留期間も3月と短かったのです。

しかし、福岡では、在留資格「経営・管理」とともに6月の起業準備が認められ、その期間のうちに、日本側の行政書士や司法書士などと、起業の準備(定款作成、会社の登記や事務所の確保など)をすすめていました。

結局、この約2年間でアジアや欧米、中南米から約40組の起業予備軍を受け入れています。

この実績が日本政府を動かしつつあります。

2. 日本での外国人起業支援はどうなるのか

経済産業省法務省(入国管理局含む)などの関係省庁は、2018年秋にも、外国人の起業を簡単にする体制を確立するように検討に入っています。

具体的には、前述した在留資格「経営・管理」の日本での起業準備期間を1年に延ばしたり、資本金の額の減額したり、外国人が気軽に起業できるような相談窓口を設立するなど、いろいろな対策が講じられる模様です。

さらには、新たな仕組みを設ける方針で動き出しています。

経産省から福岡のような「特区」に認定されるのに合わせて、外国人起業家である留学生も「留学」ビザから「経営・管理」ビザに比較的簡単に変更可能にするようです。

3. 外国人留学生約26万7千人

2017年度には、日本に留学している外国人留学生は、約267,000人いました。

そのうち、日本の企業に就職するのは、約3分の1でした。

この現状に対して、日本の企業に就職したいと希望している外国人留学生は、約6割超でした。

約30%の外国人留学生は、日本での就職などをあきらめているということになります。

また、日本での起業を希望している外国人1割もいました。

しかし、在留資格取得や資本金確保の困難さから、ほとんど断念することになってしまうのです。

4. 日本での起業する場合の現状は

そこで、どうしても起業となると、一度母国に帰国して準備した上で、改めて在留資格認定を行うか、日本企業に就職しての起業準備になります。

特に、当事務所のお客様においては、「日本企業に就職しての起業準備」のケースがほとんどです。

お金も貯められますし、事務所などの物件も冷静に判断できる時間の余裕があるからです。

5. 問題はどこまで在留資格取得を簡単にするかにかかっている

現場で見ていると、外国人は日本人に比べてリスクをとるので、行動は早いのです。

事務所の確保なども、日本人の様に慎重に悩む事がありません。

資本金も500万円などの高額でなければ、母国にいる親戚や友人から借りたり、日本での稼ぎをコツコツ貯めて、すぐにビジネスが開始できるように用意します。

問題となるのは、在留資格です。

いまでいうと、在留資格「経営・管理」をいかに早くもらえるかにかかっています。

世界の常識から言って、起業準備完了後、在留資格に申請が可能になるなんて、考えられないほどの遅さなのですから。

そこを今回の検討する中で、入管がどこまで早く前倒しして在留資格を出すかに、日本の将来もかかっているように思えてきます。

6. まとめ

  • 経済産業省や法務省(入国管理局含む)などの関係省庁は、2018年秋にも、外国人の起業をやりやすくするような体制を確立するように検討に入っている。
  • 外国人起業家である留学生も「留学」ビザから「経営・管理」ビザに比較的簡単に変更可能にする。
  • 問題はどこまで在留資格取得を簡単にするかにかかっている。