日本での難民問題解決となるか-入管法違反集中摘発の目的/結果を考える

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平成30年1月12日に法務省入国管理局から「難民認定制度の適正化のための更なる運用の見直しについて」という難民認定制度に関する方針が出されました。

当ブログでも、取り上げています。

結論から言うと、これからは要件の内容を振り分けて、その内容によって、在留資格上の措置(在留許可、在留制限、就労許可、就労制限)をとるということでした。

外国人の間に、「難民申請中の6ヶ月は就労が可能になる」という間違った認識が拡がったために、その考えを払拭する狙いもあり発表されたものです。

それを受けて、最近、東京入管と名古屋入管では同時期に「入管法違反」の集中摘発を行いその結果を公表しています。

きょうは、その結果について、みてみましょう。

1. 入管法違反の集中摘発とは何か

平成29年11月6日(月)から12月1日(金)までの間に、資格外活動不法残留等の入管法違反者に係る積極的な摘発が実施されました。

摘発対象管内は、東京入管名古屋入管です。

入管としては、扱う在留資格の数の多いナンバー1&2ですね。

2. 集中摘発の目的とは

条約上の難民に該当する事由がないにもかかわらず、日本での就労や定住を目的とした濫用・誤用的な難民認定申請に及ぶ者が急増し、不法就労等の増加が懸念される中、不法就労や違法な資格外活動の実態把握することを目的としています。

3. 結果

東京入管+名古屋入管で期間中、摘発された外国人は、341人でした。

男女別、入管別詳細は次の表のとおりです。

 総数東京入管名古屋入管
総数341218123
男性20813276
女性1338647

3―1. 国籍・地域別

多い順に、ベトナム(108名)、タイ(68名)、中国(53名)、フィリピン(46名)、ネパール(37名)、その他の国としてインドネシア、ミャンマー、モンゴル、カンボジア、スリランカと続きます。

近年、ベトナムからの留学生技能実習生が増えている実体がありますが、その増加につれて摘発数も増えていると考えられます。

あまり、良い傾向ではありません。

非摘発者の国籍地域別

3-2. 違反事由別

つまり、今回の摘発時に逮捕された理由が分かります。

不法残留(178人)資格外活動違反(158人)、その他(5人)となっています。

不法残留とは、在留資格を有さない、上陸許可されていないにも関わらず、日本に在留しているということです。

また、資格外活動違反とは、在留資格上許されている内容(職業)以外のことを行っていたということです。

例えば、在留資格「留学」をもつ外国人は、日本の学校で学ぶことを本業し、基本的に職についてお金を稼いではいけません。

しかし、職をついてお金を稼いだり、アルバイトを行ったりしたということで、逮捕されたということです。

3-3. 職業別/摘発場所別

摘発された時の職業は何であったか/どこで摘発されたかを示すこのデータ。

341人の内訳は、次のようになっています。

食料製造作業者(73人)、農業従事者(71名)、工員(65人)、労務作業者(51名)、マッサージ嬢(13名)、ホステス(7人)、飲食店従業員(7人)、清掃員(5人)、溶接工(4人)、その他(12人)、無職(33人)です。

4. 難民認定手続中であった非摘発者は

今回の摘発された341人のうち難民認定手続中は94人でした。

これらの94人の者のうち、難民認定申請審査請求取下げた者は、平成30年1月31日までに80人になり、そのうち78人は既に自費出国許可によって送還済の状態です。

4-1. 国籍・地域別難民認定申請中の者は

上記の難民認定申請中の94人の国籍・地域別内訳は、

ベトナム(44人)、フィリピン(25人)、インドネシア(11人)、ネパール(5人)、タイ(4人)、その他(5人)となっています。

この難民認定申請の国別統計と、3-3. 職業別/摘発場所別から考えるに、その多くはベトナム人の技能実習生が上位を占めている構図がうかがわれます。

本当に「技能実習生」という在留資格は必要なのか不法残留や資格外活動違反を助長しているのではないのかと思います。

難民認定申請者の国籍別

5. 個別事案も

入国管理局の公表には、個別事案が2件あげられています。

  • 1件は、フィリピン人女性が同じくフィリピン人をホステスとして不法就労させたとして、不法就労助長容疑フィリピン人雇用主摘発されています

不法就労助長罪については、次のブログを参考にして下さい。

  • もう1件は、「特定活動(就労不可)」を有するベトナム人が、就労先に偽造在留カードを使って、偽装した上での不法就労をしていたというものです。

これらの違法行為を行った外国人はすべて自らの罪を認めて、難民認定申請を取下げて、自費出国により送還されています

6. まとめ

  • 平成29年11月6日(月)から同年12月1日(金)までの間、東京入国管理局及び名古屋入国管理局において、入管法違反者341人を摘発した。
  • 被摘発者の主な国籍は、多い順に、ベトナム(108人)、タイ(68人)、中国(53人)、フィリピン(46人)、ネパール(37人)であった。
  • 被摘発者のうち不法就労事実が認められた者は308人であり、その主な職業は、多い順に、食料品製造作業者(73人)、農業従事者(71人)、工員(65人)、労務作業者(51人)、マッサージ嬢(13人)であった。
  • 被摘発者のうち難民認定手続中の者は94人であった。
  • 同手続中の者のうち、摘発後、自ら難民認定申請又は審査請求を取り下げた者は、平成30年1月31日までに80人に上った。
  • 一部の報道や人権派弁護士などが、難民を受け入れるべきとの意見が上がっているが、一方、その実体としては、ほとんどの難民認定申請者は偽装難民であり、金銭目的、就労目的で来日し、難民制度を悪用して日本に在留している実体が浮き彫りになった。